味覚もしくは嗅覚

春は揚げ物

日曜は小田原に居ました。 桑田佳祐さんの曲に金目の煮つけというのがありますが桑田さんの地元の茅ヶ崎を含む相模灘では金目鯛が獲れます。他にも(押し寿司や干物になる)アジや(小田原おでんのつみれになる)イワシのほか、カマスも獲れます。ただカマス…

わかさぎ(もしくはほろ苦い思い出について)

子どもの頃に冬になると河口湖か山中湖あたりのワカサギが食卓に並ぶことがありました。少量ならフリッターとかになったはずですがいっぺんで食べきれない量が毎冬来て、素揚げして南蛮漬けになり、結果としてそれが何日か続いていました。ワカサギははらわ…

消えた加賀揚げ

スケトウダラやサメを使う東京のはんぺんは白いのですが、イワシやサバを使う静岡のはんぺんは黒かったりします。その黒はんぺんにわさび漬けを添えたやつは知らなかった方が良かった酒の最強のアテで…って話がズレそうになるのを戻すと、獲れる魚によって水…

農兵漬け>わさび漬け

村上さんの小説のなかに出てくる酒のアテに(わさびを酒粕で漬けた)わさび漬けと大根おろしを細かく切ったはんぺんに絡めるものがあって、それを読んだ頃ははんぺんはおでんに入れる程度しか知らなかったので斬新に思えてあとで真似ています。はんぺんつい…

薄皮まんじゅう

くだらないことを書きます。 何度か書いてるのですが私が子供のころに子が居なかった叔父が酒まんじゅうを私へのお土産としてよく買って来ていました。たいてい10個入りで、酒まんじゅうが来ると来る日も来る日も10日ほどはおやつは酒まんじゅうです。名誉の…

人力詮索さては「あべかわ」

いつものようにくだらないことを書きます。 甲府盆地には信玄餅というのが甲府駅を筆頭にあちこちで売られています。念のために書いておくと桔梗の印のついてるほうは小さな容器の中に求肥餅が3切れきな粉の中に埋まっていて、それを同封の黒蜜をかけて食べ…

カイゲンのこと

「卵は完全栄養食である」というのをかつて付き合っていた異性から聞かされたことがあります。卵が苦手であることを告白して「信じられないものを見る」顔だったのですが、それはともかく。『夜は短し歩けよ乙女』(森見登美彦・角川文庫・2008)の中で黒髪…

納豆について

あまり褒められた話ではないのですが苦手な食べ物があります。筆頭は卵で、生卵はもちろん温泉卵などが苦手です。東京にはたいめいけんという洋食屋があり、チキンライスの上にほどよいオムレツが載りそのオムレツをひらくとチキンライスの上に半熟のオムレ…

この時期の蛤の問題

たしかNHKだったと思うのですがBSは稀に不思議な放送をすることがあります。数年前の秋の朝には長崎の諏訪神社からの中継があって、いわゆる長崎くんちの踊りの奉納をそのまま流していて、金の宝珠を追い求める龍をまるで生きてるかのようにの見せる龍踊りの…

豆腐になにを載せるかの問題もしくは豆腐になにかを載せるときの問題

暑さにもいろいろな表現があって、大人になって知ったのが京都のじりじりと暑い油照りという言葉です。その油照りの京都はご存じの通り千年以上人が居て、いったいあの人たちは油照りの夏になにを食べてるのか?というのが謎に思ったことがあって、以前に京…

ずんだのおはぎ

くだらない話をします。 前にも書いたかもしれませんが山梨の東側には酒まんじゅうというのがあります。酒まんじゅうはあんを包む生地に酒種を使っているまんじゅうで、どちらかというと素朴な甘さで、小学生の頃にはだいたい父方の叔父の土産としてもたらさ…

「みんな美味しいって知ってるから産地で食べちゃうの、だから東京まであんまりこない」

たぶん前に似たことを書いたかもしれないのですが。 新宿に小田急百貨店というのがあって、ある秋にたしか鯛を買おうとして鮮魚売り場を覗いていたとき、オスのシシャモを見かけてます。子持ちシシャモは知っててもオスのシシャモを目にしたのはそのときがは…

三島コロッケ礼賛

あまり褒められた話ではないのですが揚げ物は作れないわけでは無いけど得意というほどでもありません。コロッケに至ってはあまり作ったことがありません。ので、大口は叩けません。ただ「これマネできたらな」というのに出会ったことはあります。たとえば茅…

中津川いも田楽

土曜に秩父に行ってました。秩父の中心部からだいたい1時間くらいの山の中に三峯神社という神社があります。その三峯神社の門前で売られていたのが 中津川いも田楽というもの。芋そのものは小さいけど皮ごと食べられ、しかし芋そのものには味がさしてなく、…

朝の愚行

コーヒーはブラックか、もしくは砂糖と少量の牛乳を入れることがあります。特に深い理由があるわけではなくて、子供の頃からそうだったからに過ぎません。 習慣というのはおそろしいものでコーヒーにはいれるとしたら牛乳というのを続けていたせいか舌が慣れ…

星澤先生のさつま揚げの味噌田楽風

今月に入って疲労しているときに夜更かしできそうになくて東京ローカルのMXの番組を後で視ようとして録画予約を入れたとき、MXの番組表に『どさんこ☆キッチン』の文字があり、ああこれは以前水曜どうでしょうで大泉洋さんが言及していたものだなと気が付き、…

「ゴロゴロ野菜と銀鮭のバジル」の行方

吉祥寺というといまはオシャレな街の印象がありますが決して街全体がそうではなく生活に根差した店がいまでもあって、たとえば私が子供の頃から営業している乾物屋さんが商店街の中にあります。そこで酢漬けにするための干し鱈を買うことがあるのですが…って…

仙台で食べたもの

もう少しだけ仙台の話を引っ張ります。 先日仙台で泊まった宿は朝食がセルフ方式ではないところでした。洋食一択だったのですがそのメニューの中に「まんじゅう麩のミネストローネ」の文字がありました。その文字を前に「ミネストローネの中に麩まんじゅうが…

宮城峡蒸留所見学

いまの会社法はどちらかというと取締役や社長というのは暴走をするという前提にして暴走しないように制度設計がなされています。裏返せば以前はそれほどそういう制度設計ではありませんでした。 スモーキーな良いウィスキーを作るためには大麦をビートと呼ば…

朝めしの問題

年末に出た青春ブタ野郎シリーズの最新刊で主人公の梓川咲太が妹の花楓ちゃんに朝めしを作るシーンがあり、その朝めしのメニューは目玉焼きに炙ったソーセージにトーストそれにココアでした。花楓ちゃんはトーストをちぎってココアに浸して食べていて、その…

味噌の味噌汁以外の使用法

通勤に使ってるJRは運転見合わせになったりすることがたまにあります。その場合、近隣の私鉄に迂回することになるのですが、その私鉄に乗ると信州味噌の会社の拠点が沿線にあるせいか信州味噌の広告動画が一時期車内によく流れていました。味噌汁以外の味噌…

焼き肉のたれの目的外使用

去秋から若干味覚の変化がありました。いちばん判りやすかったのがジャムで、それまで食べていたリンゴを受け付けなくなり酸味のあるオレンジマーマレードに切り替えています。どうしてそうなったのかがわからないのが醤油で、汁物などに入れるとなぜかハッ…

イクラのブリン

これからくだらないことを書きます。 読んだり観たりしたもののなかで予想外の食べものにであうことがあります。たとえば以前観た『ナイル殺人事件』の中にはウツボ料理が出てきました。ポアロはそれを欲したわけではなく、しかし出てきちまっています。なぜ…

何度目かのジャムのこと(もしくは今月に入ってからの舌のこと)

何度か書いてると思うのですが・関東ローカルの話で恐縮ですが、関東の人間なので「美味しいシウマイ崎陽軒」というCMを聴いて育っています。崎陽軒のシウマイの味≒美味しいというのが脳内で成り立っていたのですが、崎陽軒のシウマイを評価しないかつての上…

棒が折れた喪失感(もしくはべったらのこと)

日本橋の小伝馬町駅の近くに宝田恵比寿という吹けば飛ぶような小さな神社があります。神無月でありながら恵比寿様は留守役とされててそこに居ることになってて、日本橋の一部では十月のこの時期に祭礼を行っています。行っていますって書きましたが一昨年は…

ミョウガの甘酢漬け

「帰ってからあれを食べよう」という冷蔵庫に食欲をそそるものがあるというのは、しなければならない仕事をこなす上でのニンジンになり得ます。今夏の一時期はそれがミョウガの甘酢漬けでした。ヨーカドーは8のつく日に若干安くなるので若干気が大きくなって…

冷や汁のこと

たぶん前にも書いたかもしれないのですが、死んだ両親は素麺を苦手としていて食料を保存してるところにはよく三輪素麺が置いてありました。貰ったはいいけど苦手なのでまず食卓に上がることはないので持て余してかびてしまい、最後には捨ててます。なので素…

秩父の味噌ポテト

土曜は秩父の山の中にいました。 三峯神社の門前では味噌ポテトというのを売っていました。ジャガイモを片栗粉(かなにか)で揚げ、甘辛いタレを塗ったものです。存在は前から知っていましたが、今回はじめて食べています。 食べてみてわかったこととして、…

バターとコッペパンそれと揚げパンの記憶

博多華丸大吉さんの漫才のひとつに人間の記憶は不確かであると主張する中洲産業大学卒の博多のお父さんが出てきます。昨日なにを食べていたか?昼はちゃんぽんやったけど夜はなんやったかいな…と躓きます。私は昨日の晩飯はさすがに覚えてますがかなり前だと…

(円安状況下における)賢くない選択

私は子供のころからコーヒーというと粉のやつで、かつ、キリマンジャロで育ってきていて、よくあるインスタントコーヒーがどうしても舌が合わずまず飲めません。「違いのわかる男」というキャッチフレーズで販促されたインスタントコーヒーがダメな現況を鑑…