「卵は完全栄養食である」というのをかつて付き合っていた異性から聞かされたことがあります。卵が苦手であることを告白して「信じられないものを見る」顔だったのですが、それはともかく。『夜は短し歩けよ乙女』(森見登美彦・角川文庫・2008)の中で黒髪の乙女は登場人物のひとりである風邪気味の樋口君に卵酒を作るシーンがあります(P295)。以前その部分を読んでいてなぜ卵酒?と数秒考えて「ああ卵が完全栄養食だからか」と腑に落ちています。もちろん卵が苦手なので作ったことはありません。卵酒が風邪に効くっぽい、というのも作品を通して改めて知ってはいるのですが、飲もうとも思いませんし、そんなものを飲むくらいなら発熱で苦しめられてるほうがまだマシです。
ここではてなの今週のお題「体調が悪いときの過ごし方」を引っ張ると、風邪気味だな、と感じたらはやい段階で市販の「カイゲン」を服用します。カイゲンは常にカバン等の中に入れて持ち歩いていて、今月も既に一回「このままだとマズいかな」という段階で服用してリカバリしています。カイゲンは偉大なり!です。もちろん特段カイゲンの味が好き、というわけではないです。が、(卵酒を飲んだことないからわからないけど)卵酒よりマシ(のはず)です。ついでに書いておくと粥にも卵を落としません。入れるとしたら鮭フレーク一択です。
以下くだらないことを書きます(いままでもくだらないことを書いていましたが)。
『夜は短し歩けよ乙女』にはちょっと気になる飲み物が出てきます。風邪をひいていた李白さんという登場人物が黒髪の乙女に偽電気ブランをあたためそれに柚子果汁を垂らしたものを与えるのですが、お腹が温かくなる、という表現もあって(P307)、いつか寒気がするときに飲んでみたい…と思っていました。ここ数年は体調がいくらかよくない状況に陥っても偉大なるカイゲンのおかげでそこまで悪化せず果たせずにいて、東武浅草駅前のほうのデンキブランは東京でも手に入るので想像だけが膨らんでいたものの、風邪薬を服用したらアルコールが禁忌であることに最近気が付いて、なぜかガッカリしちまっています。おそらく「体調が悪くなったら〇〇する」というのをなにかイベントとかのようにとらえていたのかもしれません。風邪って人の思考を惑わせおかしくしませんかね…ってそんなことないかもですが。