「夜は短し歩けよ乙女」を読んで火鍋を食べた

去年から森見登美彦さんの小説を少しづつ読みはじめています。既に去年末には読み終えてはいるものの、面白いの一言で済ますにはもったいないくらいの、しかしどう感想を書いていいのか言葉がなかなか浮かばない「夜は短し歩けよ乙女」(角川書店・2006)という作品があって、いくらかネタバレをするとその作品ではツァラトゥストラはかく語りきを噛まずに言ってのける少年がいる古本市がでてきて、その古本市の会場では火鍋という料理を食べざるを得ない場面が出てきます(たぶん何を言ってるかわからないと思うので興味を持たれたらぜひ文庫などでお読みください)。

本の感想は横に置いておくとして、火鍋というのはずいぶん前から名前は聞いたことがあってもどういうものかは知らずにいました。作品を読む限り、辛いことは想像できます。ココイチでも普通の辛さで充分で1辛にもしたことがないくらいで特段辛い物が好きではないけど興味がわいてはいて、しかし昨今の外食自粛で中華料理店には行けていませんから食べていません。夏に喰うものではなさそうなので冬の間に、とは考えていて、かといって自作しようと検索すると作るにはホアジャオ(花椒)や八角等が必要でなかなか踏ん切りがつかずにいて、まあしょうがないか、と思っていました。文具を無印に買いに行ったとき「たしか無印ってエスニック系の食材に注力してたよな…」とふと思い出し探してみると奇遇にもあとは肉や青梗菜等を加えればいい火鍋のレトルトがあって、好奇心で買ってしまっています(…しまっています?)。

食品売り場でレトルトの説明書きの指示に従い豚肉やネギ、ジャガイモ、豆腐などを買って覚悟を決め(…覚悟を決め?)、しかし封を開けてちょっと舐めると(当たり前なのですが)辛く、ひよってジャガイモを増量しています。はやまったかなーと鍋を眺めつつ、しかし加熱するうちに辛味も強いけどほどほどになって、〆の中華麺までたどり着けています。

作品では火鍋とともに冷たい西瓜がでてくるのですが、残念ながら冬ですからそんなものはありません。でも口やすめが必要だとは考えていて、(当該作品は既読で本を貸してもらった)一緒に食う相手に食材を買いに行ったヨーカドーで「なんなら合うと思う?」と聞くと「トマトは?」との意見が出たのでそれを採用し、視界的に赤主体になったものの冷やしたトマトのスライスを用意しといたのですが、冷たいものは用意しておいて正解だったかも。

もういっぺん喰いたいか、というと即答はできないものの、当座の好奇心は満たせてます。「夜は短し歩けよ乙女」には他には風邪をひいたときの飲み物として温めた電気ブラン(正確には偽電気ブラン)に柚の汁垂らしたものが出てきます。若干それにも興味がないわけではないのですがそれを呑むために風邪になるのもバカらしいので、呑まないで済むように風邪にも注意するつもりです。