Hot potato問題

ローカルな話をして恐縮なのですが、中央線の下り電車は高尾駅を過ぎると甲府盆地の東端の勝沼までずっと山の中を走ります。桂川の川べりに水田が全くないわけではないもののわずかで、山を抜けた勝沼とて正式な駅名は勝沼ぶどう郷でぶどうの産地です。死んだ父に連れられて子供の頃に塩山市というところへ何度か行っていて、その往復で外を眺めてて墾田永年私財法って日本史でやったものの田のほとんど無い山梨東部はどうしてたのか?という疑問がずっとあるのですがそれは横に置いておくとして、天領だった地域では江戸期には九州から伝播したジャガイモがどうも栽培されていたようで。

小さなジャガイモを皮付きのまま油で炒めた上で水と砂糖と(ほんとは甲州味噌がいいのかもしれないけど手に入らないので私は信州味噌を使うのですがともかく)味噌を加え、煮詰めた上で煎りごまをちらす「せいだのたまじ」というのが山梨東部にはあります。30分くらいかかるものの小さなジャガイモを見つけると作ることがあり・リクエストを貰って作ることがあり、もちろん出来立てがよいですが、冷めてもイケます。

はてな今週のお題「芋」を引っ張ります。

英語のスラングでHot potatoというのがあって、直訳すれば「あつあつのジャガイモ」ですが、厄介な問題とか見限るという意味があります。ここから先は毎回マッシュポテト等で苦労するいい歳したおっさんによる人力詮索さてはになりますが、茹でたジャガイモの状態で皮をむこうと手を触れると「あちっあちっ」となる→「触りたくない」とか「触らないでおく」となる→体感からくる嫌悪から「厄介」とか「見限る」というような意味合いがhot potetoに発生したのではないか、と想像します。もちろんあってるかどうかはわかりません。

その点「せいだのたまじ」は一切皮をむかずに済むので革命的なジャガイモ料理ではないか?と密かに思ってるのですが、でも残念ながら火の通りの問題があるので大きなジャガイモではできないのが欠点です。

スラングができるくらい長い時間をかけて人類は皮むきのためにあつあつのジャガイモと対峙してきたわけで・苦労してきたわけで、そろそろ人類の英知を結集してhot potato問題を解決できないものか…とか半分冗談半分本気で思ってるのですが。