毎日新聞

『さらば国分寺書店のオババ』雑感

いつものようにくだらないことを書きます。 椎名誠さんの著作に『さらば国分寺書店のオババ』(新潮文庫・1996)という本があります。読んだのは大学生の頃だったはず。椎名さんと古書店の店主との対決がつづられていて詳細は本作をお読みいただきたいのです…

スクロールする行為もしくはなんとなくそこにあるものを読んでしまう悪癖

もしかしたら、貴様なにをおかしなことを言ってるのだ、といわれそうなことを書きます。私はどちらかというと文字があると読んでしまいます。電車が来るまでのあいだ本を引っ張り出すほどではないちょっとした合間に駅にある広告の文字列を読んでしまったり…

頭を下げることが特別な行為になってる社会

世の中にはいかすけない奴というのがいて、そういうのには意地でもまず頭を下げませんが、そうでなければわたしは割と頭を下げることを厭わないです。頭を下げなければならない事態というのはたいてい問題が解決してない状況であることが多く、なのでその状…

「危機は平等に訪れない」

すっごい個人的で些細なつまらぬことをまず書きます。 先日、この時間の〇武線に乗ったら感染するかも、的な趣旨のあるSNSの書き込みをみてなぜかイラっとしました。ナチュラルにそう書いてると思え、特段、書いた人に悪意があるとは考えにくいのです。私は…

先行きが見えない社会における「正しさ」

あ、またか、という話をします。私は大学の英語でマクベスをやりました。最初のほうに有名な「Fair is foul.foul is fair」のという魔女のセリフがあります。辞書をひけば「きれいはきたない」とかなんとなくの訳ができてきます。多少のネタバレをお許しいた…

国語力の低下

なるべく野球と政治の話は自制しようと考えてたのですが今夜はちょっとお許しください。 14日付毎日新聞夕刊にさだまさしさんの寄稿がありました。たとえば平等について100人いる避難所に120個のケーキが来たらどうするべきかとか設問を投げかけて問うていた…

劇場の継続についての雑感

これから、いつにもまして、まとまりのないことを書きます。 歌舞伎の演目に「お祭り」というのがあって、その演目では伝統的に観客が必ず「待ってました!」と声を掛けます。その掛け声を受けて「待ってましたとは有り難い」と続きます。演劇全般を語ること…

ソーセージを手にして

前にも書いたかもしれないのだけど、夕飯を考えるとき、主菜がナスのグラタンとかの温かいものだったら副菜を水菜のサラダとか冷たいものにする、主菜がカツオのたたきみたいな冷たいものなら副菜を蒸しナスの胡麻和えみたいな温かいものにする、というよう…

リズムとかテンポとか

わたしは文章を書いてたくさんの人に読んでもらおうという意識がかなり薄弱です。読んだものや経験したことを軸に書いてはいるものの書けば書くほど教養もなければそれほど頭脳明晰でもないのでそれが多くの人にバレるのはヤダ、ってのもあります。じゃあな…

収集癖

毎日新聞には長いこと週一で西原理恵子さんの連載があります。ご家族のことを書くことがわりと多いです。今日の朝刊もそうでした。西原家のご長男は以前からどうも棒を集めていたらしく、ご長男が日本を離れた隙にその棒を処理したものの、大人になったいま…

物語の経験(追記あり)

よく犯罪が起きると加害者にこころの「闇」があって、という言葉があふれます。おそらく犯罪者には闇があって、故に犯罪が起きる、という方が理解しやすいからです。でも「闇」というものがあると平気で犯罪に手を染めてしまう、というほど人は簡単かつ単純…

Twitter雑感

「スピーチとスカートは短いほうが良い」という博多華丸師匠のフレーズの、聞くときは確かにスピーチの部分はつまならいものであればなんとなく感覚的に同意しちまうところがあるのですがってそれはともかくとして、世の中長ったらしいものに対しては好感を…

おのれの愚かさについて

名鉄百貨店の前にはナナちゃんがいます。 けっこうでかくて、それが通路の真ん中に仁王立ちしています。名古屋にはじめて来た時は「なんだこれは」とまじまじと眺めてしまったのですが、そんなことしているのは私だけであたりまえのようにだれもが素通りして…

本を読んだ感想ではありません。読まずに語ります。 もう20年以上前の(たぶん阪神大震災より前の)毎日新聞の連載小説に「藏」というのがありました。越後の酒蔵を舞台にした宮尾登美子さんの作品です。その連載小説を読んでいた母は「小説の主人公がダブっ…

怒りのポイントカード制

怒鳴ったり威嚇したりということで人を従わせる、というのはあまり上策ではない、と思っててあんまりしません。単純な話で怒鳴られたり威嚇されたりという記憶が相手には残るけど、なぜ怒ったか・怒鳴ったかというのが相手に伝わりにくいからです。だからな…

毎日かあさん

ずいぶん前のことなのですが忘れることのできないことってのがないわけではありません。 忙しいときにそこまでつっつくのかというくらい細かいところをつっついてプチ否定してくるちょっと年上の人がいてそれに触れるたびにどんよりして、でも限りなく難癖に…

能町さんの問題提起

名前だけは知ってるけどその実詳しくは知らない有名な人、というのに能町さんが居ます。前にも書いたかもしれません。好角家であることは知っていて文章を目にしたことがありますが、実は容貌は知りません。でもどちらかというとマイノリティに属し、その後…

女のいない男たち・木野

前にも書いたかもしれないのですが、村上春樹さんが質問に答えるスタイルの「村上さんのところ」というサイトがあって、はてなが協力しているせいか問答をたまに閲覧することがあります。その中である問いに答えて、きついことやつらいことを体験した時に、…

光差す

現在、小説はむずかしい時期を迎えてるとよく言われます。人は本を読まなくなった。特に小説を読まなくなったということが世間の通説になっています。しかし僕はそのようには思いません。考えてみれば我々は2000年以上に渡って世界のあらゆる場所で物語とい…

寂聴さんの話

小説ってのはなんだろう、ってことを文学部に行かなかった人間なのでたまに考えます。 すくなくとも小説を読んで引っかかることってけっこう多かったりします。井伏鱒二の黒い雨は社会人になって引っかかったのですが、高校生のとき意識してたのは開高健でし…