Twitter雑感

「スピーチとスカートは短いほうが良い」という博多華丸師匠のフレーズの、聞くときは確かにスピーチの部分はつまならいものであればなんとなく感覚的に同意しちまうところがあるのですがってそれはともかくとして、世の中長ったらしいものに対しては好感を持たれないようで、もう10年近く前になるのだけど「ブログの記事は短いほうが良い」というアドバイスを貰ったことがあります。もちろんそのアドバイスをガン無視していまに至ります。というのは短い文章で意思疎通を図るというのはほんとは簡単なことではありません。ただし書く方と読むほうに共通の同質性があれば別です。共通の同質性があれば説明が不要ですから文章は短くできます。無ければできません。不特定多数の、共通の同質性があるとは限らない人が読む場合は避けるべきと考えて意図的に短くするということをあまりしていません。そのアドバイスを貰ってからしばらくして短文が主流のTwitterが流行しだすのですが、短く書けというアドバイスをもらった方からするとすごく腑に落ちて、「スピーチとスカートは短いほうが良い」というのに続けてやはり「文章も短いほうが良い」のだろうな、と思うようになってます。もちろんガン無視しています。ついでにかくとTwitterも手を出していません。他人との同質性があんまりないかもしれないという自覚があるのと文章を書くことすら得意ではないのに短くまとめることができるわけがなくうまく使いこなせないだろうという自覚があるからです。
毎日新聞ヘッセン州の選挙を前にドイツについての連載記事があったのですが、興味深かったのはトランプ大統領の「難民がドイツに来て犯罪が増えた」という趣旨のツイッタが6月あったのだけど、ほんとはドイツは犯罪率は去年は92年以降でいちばん少ない、っていう統計が出ていて、でもトランプさんが云ってることを信じ込んでしまう人がいるってのがありました。最初に断定があって、でも事実じゃなくても断定してるがゆえに強くて、信じ込んでしまうのではないかと推測してるのですがっててめえの推測は別として。
誰でも情報を断片的に流せる時代になってしまって(おれみたいに教養が無くても相応に発言ができるわけですから)そのことは決して悪くはないはずなのですが、Twitterの登場で世の中が長い議論を嫌ったり、冷静さを欠いた方向へ(わたしを含め)ちょっとずつ動いてるのでは、と思っています。じゃあどうしたらいいのかとかの、残念ながら解決策なんて私には思い浮かばぬのですが。
勤務先の会社はアメリカとは縁がないのですけど・繰り返しますがTwitterもやってないのですけど、Twitterをつかって短文で世論を誘導するトランプ大統領の姿勢をいま、アメリカはどう評価するのかな、という点で中間選挙がすこしだけ気になってるんすけど、どうなるのかな。
[追記]
(もちろん論点となる政策はオバマケア≒国民皆保険制度や移民政策など多岐に渡るのですが)上院は共和党優勢だけど、下院は民主党優勢ということで、少なくとも下院ではトランプさんがやりたいことをそのまま垂れ流しにはできない体制になり、なおかつ、Twitterで主義主張を垂れ流すだけではなく政策実行に関して状況によっては下院を説得する必要が生じるようになったわけで、よその国のことなんだけど軌道修正がなされたわけで良い方向へ転がったのではないかなと、ちょっとだけ安心しました。
でもオバマ政権否定がトランプさんの軸のひとつなんだけど、頑なにその姿勢は崩さないかもなので、まだ混乱するかなあ。