ソーセージを手にして

前にも書いたかもしれないのだけど、夕飯を考えるとき、主菜がナスのグラタンとかの温かいものだったら副菜を水菜のサラダとか冷たいものにする、主菜がカツオのたたきみたいな冷たいものなら副菜を蒸しナスの胡麻和えみたいな温かいものにする、というような主菜と副菜、みたいな考え方で生きてきました。それがなんとなく当たり前だと思っていたところがあります。

今朝の毎日新聞(21日付東京版朝刊)にはフードロス問題についての土井善晴先生の記事があって、主菜と副菜という考え方は洋食の考え方で、和食は「主菜をたんぱく質と考えれば、味噌にも切り干し大根にも含まれるし肉じゃがは主菜と副菜を兼ねます」と述べていて、そのたんぱく質を主菜とする発想が頭の固い・料理の勉強をしたことがない私にはなかったので、目からうろこでした。従来から土井先生は(具だくさん味噌汁は一菜にもなるので)白いご飯に一汁一菜としての具だくさん味噌汁を推奨してて、やはり今朝の毎日新聞でもその結論に至ってます。今朝の記事で土井先生の考えがうっすら理解できた気がします。具だくさん味噌汁も肉じゃが同様主菜と副菜を兼ねるわけで。

また手の込んだ方がよいみたいな考え方がうっすら根っこにあって私はあんまり手の込んだ料理は作らないもののどこか後ろめたさはあるので、記事中土井先生が多くの人が「料理は手の込んだものだ」と思いこんでいるのではないか?という警鐘も鳴らしてて、読んでその言葉が後ろめたさを感じてた私の背中にちょっと微妙に刺さりました。

なお土井先生は味噌汁に「残ったソーセージでも何を入れてもいいんです」と述べてます(著作ではベーコンの味噌汁がある)。偶然、具だくさん味噌汁ではないけど作り置きした醤油ベースのけんちん汁がありました。冷蔵庫を覗くと買い置きのタマネギがあってこれなら良いかな、と考えて加熱前に加えています。でも、(焼いたソーセージにカレー粉とケチャップを混ぜたものをかける)カリーヴルスト用のソーセージの買い置きがあることはあって一度は手に取ったものの、3秒後にはそっと元に戻しちまいました。けんちん汁にはやはり突っ込むことができてません。土井先生の言うことは頭ではうっすら理解しつつも恥ずかしながら土井先生の境地にはまだ達することができてないです。