家族法の先

犯給法5条1項1号の(婚姻の届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にあつた者を含む。)に同性2人は含むかについて

民法の影響が及ぶ範囲では役所に婚姻届を提出し戸籍に婚姻の文字が記載された場合を法律婚と呼ぶことが多いのですが、仮に婚姻の届出をしてなくても婚姻と同じ状況にあるカップルであれば民法の条文にはないものの判例のなどにより事実婚もしくは内縁という…

同性2人の婚姻届不受理に関する札幌高裁の判断についての雑感

家族法に関しての、すっごくめんどくさい話を書きます。しばらくおつきあいください。 婚姻に関する法律は民法にあり、しかし民法の婚姻の条文をいくら読んでも近親婚の制限や重婚禁止などの規定があっても同性同士の婚姻について禁止する条項がありません。…

同性2人が内縁関係(事実婚)状態にあたるかについてのメモ

いつものように話が長くなりますが、しばしお付き合いください。 戸籍法にのっとった婚姻届を提出し(戸籍に婚姻の文字が記載され)た場合を法律婚と呼ぶことが多いのですが、婚姻の届出をしてなくても婚姻と同じ状況にあるカップルであれば民法の条文にはな…

性同一性障害者の性別の取り扱いの特例に関する法律における生殖機能除去要件についての最高裁の判断

これからめんどくさいことを書きます。長くなりますがお付き合いください。 【条文について】 「性同一性障害者の性別の取り扱いの特例に関する法律」というのがあります。「性同一性障害者」の場合は一定の条件を満たして家裁に家事審判を申し立て、家裁が…

性別変更時の手術に関しての動き(静岡地裁浜松支部の判断について)

なんどか書いていることなのですが、いましばらくおつきあいください。 「性同一性障害者の性別の取り扱いの特例に関する法律」というのがあります。「性同一性障害者」の場合は一定の条件を満たして家裁に家事審判を申し立て、家裁が許可をした場合に戸籍の…

性同一性障害の当事者に対し施設管理者が事務所内の設備に利用制限を設定し改善を求めた訴訟についての雑感

いつものようにめんどくさい話を書きます。 「性同一性障害者の性別の取り扱いの特例に関する法律」というのがあります。いわゆる「性同一性障害者」の場合、戸籍を変更することが出来ることをさだめているものの第3条に条件があり、二十歳以上であることや…

同性2人の婚姻届不受理に関する福岡地裁の判断についての雑感

毎回書いてて恐縮ですがこれからすっごくめんどくさい上にかなり長い話をします。 【婚姻に関する法律および判例について】 婚姻に関する法律は民法に規定されています。俗に家族法と呼ばれ、その婚姻のところをいくら読んでも近親婚の制限や重婚禁止などの…

首相秘書官の発言についての雑感

これからめんどくさいことを書きます。この国の憲法の24条に 24条1 婚姻は、両性の合意のみに基づいて成立し、夫婦が同等の権利を有することを基本として、相互の協力により、維持されなければならない 2 配偶者の選択、財産権、相続、住居の選定、離婚並び…

性別変更時の手術に関しての動き(大法廷回付へ)

「性同一性障害者の性別の取り扱いの特例に関する法律」というのがあります。「性同一性障害者」の場合は一定の条件を満たして家裁に家事審判を申し立て、家裁が許可をした場合に戸籍の性別を変更することが可能です。第3条に条件があり、条文上は二十歳以上…

同性2人の婚姻届不受理に関する東京地裁の判断についての雑感

これからしちめんどくさい話をします。でも大事なことなので書きます。以前にも似たことを書いたことがありますし、そして、しちめんどくさいことが苦手な方は読み飛ばしてください。要約を知りたい場合は赤字のところをお読みください。 まず前提となる民法…

性別変更後に産まれた子の認知に関しての事例の東京高裁の判断

いつものように話が長くなります。 民法の家族法の分野には認知という言葉があります。父または母が子について血縁上の親子関係の存在を認める旨の行為です。市役所などに婚姻届けを出している婚姻している男女の間の子は嫡出子たる地位を得て子と親の間に親…

同性2人の婚姻届不受理に関する大阪地裁の判決についての雑感

戸籍法、民法、憲法を踏まえた上での、同性2人の婚姻届不受理に関する2022年6月の大阪地裁判決の説明。

性別変更後に産まれた子の認知に関しての事例

家族法の世界には認知という言葉があります。父または母が子について血縁上の親子関係の存在を認める旨の行為です。婚姻している男女の間の子は嫡出子たる地位を得て子と親の間に親子関係が成立しますが、婚姻していない男女間の子のような事例において認知…

同性2人の婚姻届不受理関する札幌地裁の判断についての雑感

私が勤労学生だった頃、民法の家族法の授業で出された質問が「なぜ同性2人では婚姻が出来ないのか」というものでした。手許に六法があるなら民法の家族法の婚姻のところを参照していただきたいのですが、いくら読んでも近親婚の制限や重婚禁止などの規定があ…

不貞行為に異性間ではない不倫も含まれるとした事例

民法の家族法の項目には不貞行為という言葉があります。直接どういうものかという定義はありませんが・どこにも書いていませんが、よくある事例で書けば・平易な言葉で書けば配偶者間相互の性的独占が崩れるというのが判りやすいかもしれません。民法770条1…

内縁関係の同性カップルへの適用

恋愛に関する言葉に「熱をあげる」というのがあります。どちらかというと冷静さを欠いてる状態というニュアンスです。冷静さを欠きやすい恋愛の延長線上にあるともいえる婚姻について洗濯機を買うときのように合理的かつ打算的に誰もが行動するかと云ったら…

性同一性障害者の生殖機能除却に関する最高裁の判断(一部追記あり)

「性同一性障害者の性別の取り扱いの特例に関する法律」というのがありまして、「性同一性障害者」の場合、戸籍を変更することが出来ます。ただし第3条に条件があり、二十歳以上であることや現に婚姻をしていないこと、現に未成年の子がいないこと、生殖腺が…

英国の同性婚のことについて

英国において同性愛というのは50年前まで犯罪でした。英国の国会議員が問題提起して英国政府が動き、1957年にウルフェンデンリポートというのがでます。内容としては刑法から道徳的な要素を排除するべき、という提言で同性愛の非犯罪化を含む答申をしました…

性転換者の親子関係についての最高裁判例

民法772条 1 妻が婚姻中懐胎した子は、夫の子と推定する というのがあります。 夫以外の精子を使う非配偶者間の人工授精(AID)というのがあって、産科医療の現場では事例があります。いままでは配偶者以外の精子を用いた人工授精であっても婚姻中の懐胎であ…