かぼちゃもほうとうもよくわかっていない奴が語る「うまいもんだよかぼちゃのほうとう」

いっぺん料理教室のようなもので勉強したいと思ってるのだけど果たせずにいて、いまいちよくわかっていない野菜がけっこうあります。筆頭格はかぼちゃです。薄く切って電子レンジで加熱して、それをバターを溶かしニンニクをいれたフライパンでさらに炒める程度のガーリックソテーとか、さらに手抜きして薄切りかぼちゃにごま油を足してレンジで加熱したあと塩昆布とツナ缶と和えたりとか、その程度です。かぼちゃ産地出身ならかぼちゃに詳しくなれたかもしれませんが残念ながら東京は産地ではありません。

東京の隣に山梨県があります。山梨には「ほうとう」というのがあります。味噌ベースの鍋で、うどんと異なるこしの無い麺を野菜などとともに味噌ベースで煮る鍋です。(うまくいったときにも使うダジャレでもあるのですが)「うまいもんだよ、かぼちゃのほうとう」といい山梨はかぼちゃの産地ではないものの冬にはかぼちゃをよく入れます。死んだ父は山梨に年に何度か行っていてわたしが小学生の頃に土産にほうとうのキットを買ってきて、一度だけ冬のかぼちゃのほうとうを食べたことがあります。味噌が信州味噌ではないことは鮮明に覚えてて、残念ながら家族でたべたのはその一度きりです。おそらく死んだ両親の舌には合わなかったのかもしれません。私も子供ごころに「信玄餅の方が良かったな」とは思いましたが口にはしていません。

紅顔の美少年(左記若干の誇張あり)がくたびれたおっさん(左記まったく誇張なし)になって山梨へ行くようになっても三十年以上前にいちどしか食べてない料理なのでどういうものかわかってないので、信玄餅は買ってもほうとうのキットにはなかなか手が出ませんでした。しかしなんのきなしに「うまいもんだよ、かぼちゃのほうとう」のことを口にしたら好奇心が疼いたのか一度食べてみたいと云われて、山梨へ行ったときに信玄餅のほかにキットを購入し、そのあと作っています。かぼちゃのほかダイコンやシイタケ、シメジなどを入れてて、旨かったしほぼ完食はしました。でも考えてみたらその一回こっきりです。もう一度食べたいとも云われてません。そのあと山梨に出かけてるのですが私もキットをもう一度買おうとはしなかったです。

話はいつものように横に素っ飛びます。

ある夜、テレビをチラ見しながら雑事を片付けていたら風邪をひいたっぽい親友とその家族にほうとうを作ってる山梨の女の子が出ていました。はじめて作るのでキットのレシピ通りらしいのですが(以前わたしが作ったのより特に見た目が)旨そうで、たいそう好評で親友の家族からレシピすら訊かれています。

それをみてふと手を止めて、おっかしいな、おれもレシピ通り作ったんだけどな、と思わずつぶやいたものの、何かが違うのかも。可能性としては私はかぼちゃがよくわかってないので火の通りを不安視してかぼちゃをすこし薄く小さくしすぎたか煮込みすぎたのかも(つまり溶けないようにほどほどに煮るのがポイントかも)、とニラんでいますが、もしくは味噌かそれ以外か。かすかながら火がついたので山梨へ行く機会があったらもう一度リベンジのためにキットを買って挑戦するつもりです。

はてな今週のお題が「鍋」なのですが、ほうとうひとつとってみても探求しようと思えば課題が浮かび上がる鍋って、簡単そうに見えてなんだか(物理的意味ではなく)奥が深いです(異論は認める)。