横着未遂

ローカルな話をして恐縮なのですが「ほうとう」と呼ばれる麺状のものを粉が付いたまま根野菜などと一緒に煮込む鍋料理が甲州にあります。俗に「うまいもんだよかぼちゃのほうとう」とも云われるので観光客向けの店ではかぼちゃとともに煮込むことがありますがかぼちゃでなくてもよく別にキノコ類を主体にして作ってもなんら問題はありません。そして味噌じゃなくても醤油ベースでも無問題です。

寒波が来るというのは事前に何度も報道で流されてて数年前氷点下まで下がったときは水道管の一部が凍結した記憶がよみがえり、ので水が使えなくなるかもと考え(炊飯不可になるかもと考え)、少し大きめな鍋に椎茸舞茸しめじほか茸主体で醤油ベースのものを昨夜のうちに用意しておきました。そこにほうとうでなくても貰い物のうどんを放り込む算段を立てて、ご飯を炊くよりいくらかはやく済むしそしてなによりも横着できる!と踏んでいたのです。その時点では。

貰い物のうどんは上州のひもかわという幅広のもので、帰宅していざ封を開けると10分ほど茹でて冷水でしめてくださいと書いてありました。なぜ「ほうとう」と別物のうどんを放り込むだけで良いと前日の夜に思っていたのかおのれのことなのに謎で、事前にチェックしなかったおのれの浅はかを呪っても仕方なく、あわてて台所の蛇口をひねるとまだ水が出ていてそれを奇貨として別途茹で、更に覚悟を決めて(…覚悟を決めて?)冷水でしめ、事前に用意した茸ベースのものに放り込んでいます。

出来そのものは悪くはありませんでした。が、横着しようとして結果的に横着できなかったので下手な考え休むに似たりを地でゆくようなもので、横着は念入りな計画とともにやらないと、というのが今回の教訓です。念入りな計画の横着は果たして横着なのかと云われると立つ瀬がないのですが。

さて、(以前に比べて高層の建物が増えゆるやかな坂道があるので凍結がちょっと怖かったものの)幸いなことに住んでいる街は雪も降らず、台所以外の水道管も凍結は回避出来て無事でいつもどうりの生活が送れています。まだ寒波はしばらく続くっぽいものの(実際現在氷点下1度)、ちょっと忙しい時期に突入してるので、なんとかやり過ごしたい所存です。