消えた加賀揚げ

スケトウダラやサメを使う東京のはんぺんは白いのですが、イワシやサバを使う静岡のはんぺんは黒かったりします。その黒はんぺんにわさび漬けを添えたやつは知らなかった方が良かった酒の最強のアテで…って話がズレそうになるのを戻すと、獲れる魚によって水産加工品は地域によって全く違ってくるのでこれから書くことは謎の食べ物の羅列になるかもしれません。

東京では加賀揚げというゴボウやニンジンの細切れを白身魚のすり身と一緒に揚げたものがあり、トースターでそのまま温めてもよいし(ごぼう天うどんのように)うどんに入れてもよいのですが、私はその加賀揚げというのをピーマンやタマネギと一緒に油で炒めそのあとオイスターソースもしくは中濃ソースで味つけする、というのをたまに(でも10年以上)やっていました。それほど時間をかけずに出来るし酒のアテにもごはんのおかずにもなります。もっとも手の込んだ料理を至上とする価値観からすると真逆な、ざっかけな上品ではない範疇に入りますが…って、書かなくてもよいことを書いてる気がしますが続けます。

ある日の夜「そういやここのところ加賀揚げを最近見ていないな」ということに思い至り旧国名の加賀は石川ですから地震のことが頭をよぎり、でも地震能登で加賀揚げは加賀だしそもそも薩摩揚げは薩摩以外でも作ってるし…などとよくわからない予防線を張りながら検索すると加賀揚げの製造会社は中能登七尾市で工場が被災してることを知りました。復旧作業中とのことなのですが、しばらく口にすることは難しそうで。バカにされそうなことを書くとそれ以降、能登の復興の報道を以前よりいくらか注意深く読むようになっています。

なんだろ、以前はそれほど意識していなかったけどいざそれを口にできないとなると欲しくなることってありませんかね。加賀揚げがそれで、いまは復活が待ち遠しかったり。