「みんな美味しいって知ってるから産地で食べちゃうの、だから東京まであんまりこない」

たぶん前に似たことを書いたかもしれないのですが。

新宿に小田急百貨店というのがあって、ある秋にたしか鯛を買おうとして鮮魚売り場を覗いていたとき、オスのシシャモを見かけてます。子持ちシシャモは知っててもオスのシシャモを目にしたのはそのときがはじめてでついまじまじと見てしまい、そこで躊躇していたらすかさず店員さんがやってきて「子持ちシシャモも美味いけど、オスのシシャモも美味いよ」と攻勢にかかりました。でもあまり見かけませんよね?と水を差すと「みりん干しの材料になるの」という説明のあと小さな声で「あとね、メスは卵に栄養が行っちゃうけど、オスはそうじゃない。みんな美味しいって知ってるから産地で食べちゃうの。だから東京まであんまりこない」。そういわれると逆に好奇心が芽生えて買っています。万人受けするわけではないものの味が濃いのを知ってしまったがために秋になると機会があればオスのシシャモを小田急で探すようになっています。あんまり来ないのは本当っぽくて、私の行動範囲では小田急のほかもう一店でしか見かけたことがありません。

この新宿小田急の店員さんの「みんな美味しいって知ってるから産地で食べちゃうの、だから東京まであんまりこない」という仮説が妙に印象に残ったのですが、それを正しいとしてしまうとシシャモに限らず東京には美味しくないものばかりが流れてくることになるわけで、否定したいところがないわけではありません。

でもなんですが。

三島に金太くん印の伊豆フェルメンテという味噌屋さんがあって、そこのお湯で割るタイプの甘酒を三島市内で薦められて買って、飲み切ってしまったあとに東京でちょっと探したのですがやはり見つかりません。なのでついでとはいえ三島へ足を伸ばしたことがないわけではありません。

ここではてな

を引っ張ると、シシャモと三島の甘酒で痛感したのですが「みんな美味しいって知ってるから産地で食べちゃうの、だから東京まであんまりこない」という店員さんの仮説は否定できない事実なのかなあ、と。それに気が付いてからは行った先でその産地で食べられてるものにかなり注意を払うようになっています。あの店員さんがいなければこれらのことに気付きもしなかったかもしれません。

さて新宿のビックカメラはハルクという建物の中にあり、そのハルクの下層部にあるのが新宿小田急です。新宿小田急の鮮魚売り場は利用しますが、ビックカメラのポイントカードすら持っていません。もしかしたら提灯記事を書くべきだったのかもしれませんが、空気を読まずに書いちまいました…ってスポンサーがいるのに大人としてそれじゃダメじゃん