甘いことは承知なのですが

いま住んでいる街では検査のために被検者を検査場所まで搬送する自動車を増やしました。東京以外には報道されてないと思いますが東京の感染状況はあいかわらずシビアです。ですが、ここだけは空気を読まずにくだらないことを書かせてください。

よくネットなどでネタにされるシンカンセンスゴイカタイアイスはスジャータの製品です。でもいまから20年位前の東海道新幹線は明治のAYAもあって、法則性はわからないものの必ずどっちかが売っていました。なんでそんなことを覚えてるかといえば紅顔の美青年だった頃…じゃねえくたびれた勤労青年だったころ「ひかり」「のぞみ」に乗ると100系なら8号車に、300系なら7号車と11号車に売店が当時はあって出向いてアイスを買ってAYAも何度も食べていたからです。

話はいつものように横に素っ飛びます。

新宿から小田原や藤沢へ行く小田急というのがあってながいこと小田急の特急には森永と日東紅茶の人がスタッフとして乗務していて、新宿駅藤沢駅、記憶に間違えなければ本厚木駅などでわざわざドアの開閉も担当していました。はてな今週のお題が「好きなアイス」でわざわざ書いてるからにはお察しだとは思いますが、電車が動き出したら車中では森永や日東の人がもちろんアイスを売っていて、親に連れられて乗った紅顔の美少年が…じゃねえ、ちょっとあか抜けない少年がたしか何かしらのご褒美に買ってもらったアイスを食べながら流れる車窓を眺めてご機嫌であったことはいうまでもありません。それをひきずってしまい紅顔の美中年じゃねえ…くたびれたおっさんになったいまでも(「こだま」はもうないのだけど)新幹線に乗って車販に遭遇したら車窓を眺めながら食べるためにアイスを買うことがあります。かといって私はガチなアイスクリームマニアではありませんから偶然近くに座った親子連れが「アイスクリーム食べたい」「ダメ」という会話をしていたらさすがに控えます。

食べ物が美味しいと感じる要素は舌の慣れと「それが良いとしちまう思い込み」なのではないか、という仮説を私は持っています。(その仮説が正しいとは思っていないものの仮説に沿って考えると)世の中にはチョコミントを含めもっと良いアイスがあるはずなのですがそれでもスジャータのシンカンセンスゴイカタイアイスを機会があったら食べそしてそれを「美味しい」と思ってしまうのは、おそらく小さいころ小田急での体験以降の「それが良いとしちまう思い込み」のほうの要素が強いのかもなあ、と。

残念なことに小田急は今春で車内販売を止めてしまっています。それを知ってちょっとショックだったのですが、余計な・些細なものではあるのですがおのれの過去をかたちづくったものがこの世から消えるのはいくらか悲しいものがあります。「コロナ前に戻ることはない」というのは経済状況を含めてもちろん頭ではうっすら理解できてるのですが「小田急のアイスクリームは戻してくれないか」というのを願望としてどうしても考えちまったり。甘いことは承知なのですが。