「腰だめの数字」

腰だめの数字という言葉があります。個人的にわりとよく使っていて仕事上「腰だめの数字でもかまいませんのでどれくらいになりますか?」とか訊いたりします。ところが今週に入ってからどうも「腰だめの数字」が通じてないのに気が付き「アバウトな数字でどれくらいですか?」と訊きかえしたことがありました。私が何気なく使ってる言葉は死語になりつつあるのかもな、と思い知らされています。

腰だめというのは銃を腰の位置でうつことで、本来銃というのは肩の高さというか目の高さというかともかく標的を見据えて撃ちます。腰では正確に標的に照準をあわせられませんから、そこから転じて正確ではないアバウトな、という意味合いになることを補足説明しています。くわえて、腰の位置で撃つのははやく撃てて、ので、正確さを欠きつつすぐ出る数字という含意もあるはずです。

以前はというか子供の頃には縁日などに射的があったのですが、射的って確かに少なくなった印象があっておもちゃの銃すら知らない世代が増えたと思われ、死語になりつつあるのはやむを得ないのですが。

消えて行きつつある言葉について考えるとなんとなく寂しいなと思えるのですが、歳をとるとこんなことが増えるのかなあ、と。