個人的人力詮索さては(ジャガイモ編)

おそらくもうちょっとすると北海道のシシャモが出回るようになります。特段シシャモが好きというわけではなかったのですが、よくシシャモと豚汁という組み合わせは秋が深くなるとやっていました。数年前、小田急の地下をのぞいていたときにオスのシシャモを見かけてます。子持ちシシャモは知っててもオスのシシャモはその時に存在をはじめて知って、そこで躊躇していたらすかさず店員さんがやってきて「子持ちシシャモも美味いけど、オスのシシャモも美味いよ」と攻勢にかかりました。でもあまり見かけませんよね?と水を差すと「みんな美味しいって知ってるから産地で食べちゃうの、だから東京まであんまりこない」。そういわれると逆に好奇心が芽生えて攻勢に屈して買っています。それどころか脂がのってて万人受けする味ではないものの味が濃いのを知ってしまったがために秋になるとオスのシシャモを探すようになっています。あんまり来ないのは本当っぽくて、私の行動範囲ではタカシマヤもしくは小田急でしか見かけたことがありません。

話はいつものように横に素っ飛びます。

豚汁でもジャガイモをつかいますが、ジャガイモはわりと常備しています。短冊切りしたジャガイモをオリーブオイルで炒めた後にほぐしたコンビーフと黒コショウを加えてさらに炒めたりとか、じゃがいもをマッシュにしたあとカレー粉とマヨネーズと若干のバターと最後にフライドオニオンを混ぜたりします。ジャガイモを短冊切りにしたりマッシュにする作業というのはそれだけに集中でき邪念がなくなりますから気分転換にもなります。キタアカリは豚汁にも炒め物にもマッシュにも向いてるので私のような横着者にはキタアカリはありがたいですって、書かなくてもいいようなことを書いてる気が。話をもとに戻すとキタアカリがあったら買うようにいつの間にかなっていました。

住んでいる街ではないところの東急ストアでキタアカリを買おうとして見つけたのがレッドムーンです。メークインみたいな形状の皮が赤くて中身はサツマイモみたいな不思議なやつなんすけど、マッシュにしたらなんというかクリに似たほのかな甘みがあってねっとり感がありそのままでもイケて万人受けするかどうかはわからないけどちょっとクセになりそうな味で、住んでいる街には東急ストアがないので在庫を食べきった後に東急ストアのある駅で再度探したのですが、一時的取り扱いだったようでしばらくありつけませんでした。翌秋、死んだ両親が眠っている神奈川県下の街のサティだったイオンでみつけて狂喜して買ってそれを食べてます。食べきった後にイオン系ならあるのかも?と考えてぎりぎり歩ける範囲のイオン系になったピーコックに行ってみたのですが残念ながら世の中レッドムーンほどそんな甘くなく取り扱いはなく、そしてサティだったイオンでも見かけなくなってしまいここ3年くらいはレッドムーンにありつけていません。

あれほど美味しいものがなぜ出回らないのか。こうなってくると小田急の地下食品売り場のスタッフの人の「みんな美味しいって知ってるから産地で食べちゃうの、だから東京まであんまり来ない」ってのはレッドムーンでも当てはまるのではないか、と。もちろんキタアカリも美味しいです。キタアカリと異なる万人受けしない美味しさゆえに道内で消費され北の大地から東京まで流れてこないのではないか、と人力詮索してます。はてな今週のお題は「いも」で、ジャガイモの話で良くここまで書けるなあと我ながら笑えてくるのですが、その執着が我ながらほんとなんだか笑えてきます。

3kgとか5kgとかの単位のほかに受け取りの問題もあっていままで頑なに通販を避けてきた通販童貞なのですが、レッドムーンのためならシーズンが終わる前に捨てようかな…と、ちょっと心が揺らいでいます。