棚にピロシキが残2もしくは1だったときのお願い

「呑む打つ買うは男の甲斐性」という言葉があります。お酒呑みながら・週末の尼崎競艇の予想をしながら・(よいこのみんなはなにをいたすのかわかんなくていいのですが)いたすことをいたしながら、部材の価格高騰の転嫁に頭を悩ます…なんてことなどまずないはずで、これらの3つはそれをしてる間は現実を脳内からシャットアウトすることが出来るのでこの言葉の大事なところはおそらく現実をいったんシャットアウトできる方法を持つべきであるという点にあるのではないか、と想像します。もっとも私はお酒は呑むものの、博奕を打つことはしませんし幸か不幸か風俗童貞のまま特定の相手ができてしまったので、甲斐性という点では人の三分の一の男ということになってしまいます…ってそんなことはどうでもよくて。

個人的には現実を脳内からいったんシャットアウトできる安易な方法は舌です。食パンにいくらか多めにジャムを載せるということをして、出勤したらやらねばならぬ仕事がマウンテンオンザデスクと判ってる朝の憂鬱な空気を一時的に断ち切っています。ジャム以外にも頼るものはあって、そのひとつがひき肉やタマネギ等を生地に包んで揚げたピロシキです。

お題「ベーカリー(パン屋)で必ず買ってしまうパン」

を引っ張ると卵がダメなので卵が入ってないことが前提ですがパン屋でピロシキがあればまず買います。きっかけはHOKUOという店で「出来立てでーす」と云われて深く考えずにトングでとって、それを食べてるうちに直前まで考えていたことがすべて素っ飛んでることに気が付き、以降媚薬にハマった変態みたいですが「もういちど」とかやってるうちにいまに至ります。

ただ悲しいことにどこにでも売っているわけではありません。勤務先のそばの大丸には4軒並んでパン屋があるのですが不思議なことに4軒どこも扱いません。住んでる街には2軒ほどパン屋があるのですがどちらもピロシキが無いのです。けっこうな確率であったHOKUOは東京から撤退し、同僚から高島屋に有りましたよと云われて行ってみると曜日限定で、中村屋にあるとは聞くのですが新宿三丁目は通勤経路から外れてて…という具合で、なんらかのきっかけでどこかでパン屋に入って偶然ピロシキを見つけたらラッキーという状態です。

もし東西線沿線のパン屋等でピロシキを探しているいい歳したおっさんを見かけてその上で棚にピロシキが残2もしくは1だったとき、生暖かい目でそのピロシキを遠慮のかたまりにしていただけると幸甚です。