『ゆびさきと恋々』2話までを視聴して

MXで夜に放映しているアニメ『ゆびさきと恋々』の2話の録画したものを視聴しました。それをいちいちここで報告する必要性があるのかと思いつつ「すげえ」で済ますのがもったいないので、以下、書きます。詳細は是非本作をご覧いただきたいのですが、大前提としては聴覚に障害のある大学生雪さんと雪さんの1個上の逸臣先輩との先輩後輩の話です。

いつものように不粋な幾ばくかのネタバレをお許しください。

視覚はまぶたの筋肉を使いますが耳からの聴覚というのは障害が無ければさして運動機能を必要とせず、なので意図せず聞こえてしまうことがあります。が、聴覚に障害があるとなるとそういうこともありません。2話の前半、雪さんは逸臣先輩が周囲の学生と話しているのを見かけますが、もちろんなにをいってるのかは聞こえません。唇の動きは見えてもそれが日本語ではないことがわかる程度で、わからぬ分だけ「なにをしゃべってるんだろう」という疑問に直面します。その場面、雪さんに寄り添って逸臣先輩がなにをしゃべってるのかわからない描写になっていました。どってことないのですが、その演出に「すげえ」と唸らされています。

また2話では雪さんは手話を使うシーンがそこそこあるのですが逆に逸臣先輩は雪さんが使う手話がほぼわかりません。しかし逸臣先輩は使った手話の意味を問うて理解しようとします。雪さんも逸臣先輩も意図せず聞こえてしまうことが無い上に「わからない」を抱えながらも相互に「なにをいってるのか?」という点を軸に相手に相互に興味があることをさらっと巧くフィクションに載せてあって「すげえ」となっています。

不粋なもう幾ばくかのネタバレをお許しください。

2話では雪さんの知り合いの桜志くんという学生が出てきました。彼がどういう人かなどは是非本作をご覧いただきたいのですが、彼は手話が使えるので雪さんと意思疎通でき、2話後半では手話による二人の会話のシーンがあります。そして2人の会話を眺めてる逸臣先輩は(1話では唇の動きと文字を介したやりとりで意思疎通を図っていた程度で)手話がほぼわかりませんからおそらくその内容がわかりません。くわえて桜志くんと雪さんの会話の内容は、見ているこちらも桜志くん役雪さん役の声優さんの声がある部分は理解できましたが、それ以外は逸臣先輩と同じです。逸臣先輩が感じたであろうその疎外感をさらっと理解できる演出になっててやはり「すげえ」と唸らされてます。

もうちょっとだけ不粋なこと、かつ、頭の悪いことを書きます。

桜志くんと雪さんは手話で意思疎通するのですが、桜志くんの指先の弱々しさから「心配してくれてるのであろうか?」と雪さんが悟る場面がありました。手話の指先に人の感情が宿ることがあるのかそれが本当なのかは別として、その雪さんの手話の指先に人の感情が宿るという仮説をなんとなく信じてしまいそうになる程度に・どこか腑に落ちてしまう程度に2話までの物語の展開は見事でした。え?少女マンガなの…とみくびってしまってごめんなさいというか、ほんと「すげえ」というか。

まだほかにも語りたい点が多々あるのですが、アニメをたくさん見ているわけでもない上にアニメの感想の書き方も知らないのでこのへんで。