地下街から消えるパン屋

景気に関する新聞報道を眺めてると「依然として厳しい状況にある」という語句がまだ消えることなく書いてあって、数字や数字に限らず勤務先のそばの地上や地下街の店舗がいくつか閉店してるので実感として「まあそうなんだろうな」というのはありました。人出は以前ほどなく、先行き不透明なので人の財布が固くなってる感もなんとなくあるような気が。個人的にも給付金を請求したもののうち1万は重粒子線治療センタに寄付し千円ほど高級りんごジャムに使った以外は使う気になれずほぼそのままです。

話はいつものように素っ飛びます。

人はパンのみにて生きるにあらず、というのがあって、物質的なものではなく精神的な充足感を得て人は充実した人生を送ることができるはず、という意見に反論するつもりはまったくないのですが、わたしは胃や舌と精神がどこかつながってるっぽくて、パンに精神をわりと左右されます。美味しいパンがあるからこそしんどいときでも生きてゆけます。めんどくさい仕事をしてる時など予めいくらか高めのパンを買って焼いてそれを食べてモチベーションを上げて出勤したり、朝早めの出勤や休日出勤などのときには好みのパン屋に寄って惣菜パンなどを調達してモチベーションを上げたりしていました。

ところが。

勤務先のそばの地下街にここ数年ほど私のモチベーションをあげていた店のひとつがあるのですが、ここで来月の閉店が決まっちまいました。昨今の経済状況を鑑みれば理解できなくもないしいままでよく持ち堪えてくれた感があるのですが、なんだかやはり残念のひとことに尽きます。朝早くから店を開けててそういう点でも貴重な店でした。

きっと前にも似たようなことを書いてるはずなのですが新型コロナは副作用として東京(もしくは私の身のまわり)から美味いものを容赦なく奪い去っていってる気がしてなりません。見えない敵と闘う非常時なので耐え忍ばなければならぬ、というのは承知しつつも、いつまでこんなのが続くのかなあ。