2024年をふりかえって

何年かに一度はこの時期になると一年を振り返って「キツかった」とか書いている気がします。なんのことはない、抱えてる仕事に対して出来ることなら失敗したくないという意識が働き、ので、めんどくさそうなところとそうでないところを事前に分析し、めんどくさいところについては根回ししたり意見を訊いたりし…なんてことをやってるうちに可視化した「やらなければならないリスト」が増え、根がめんどくさがりなので「やらなければいけないリスト」を処理しながらもやはり、めんどくさいなあ…と感じ、やりがいはあっても実のところはめんどくさいことを処理するのはしんどいので結果的にキツいという感想になっちまうのです。

対処法はわかってて、よくやるのはちょっと良いジャムを買っておき、毎朝トーストに塗る前にジャムのふたをあけ鼻を近づけて香りを嗅ぎ、憂鬱な気持ちが広がる原因である「めんどくさいなあ」というのを一時的にシャットダウンさせ憂鬱を吹き飛ばし、しばらくの間はなんとかなるかな…と前向きになる方法です。ので、今年もキツい時期にちょっと良いジャムを買っていました。はてな今週のお題「2024こんな年だった・2025こんな年にしたい」を引っ張ると、たぶん来年も今年同様に抱えてる仕事の都合でちょっと良いジャムを買うと思われます。もちろん値段は張りますが、憂鬱が消える以上は贅沢は敵ではなくて素敵であると思っています…って、なんだかおのれがいかに単純であるかの自白になってしまってる気がするのですけど構わず続けると、そのほかにたまにフィクションの海に溺れていました。

 

gustav5.hatenablog.com

今夏放映されていたアニメ『小市民シリーズ』とその原作に手を出しています。平日はムリでも週末などや夜更かししてよい夜に映像を眺めるもしくは本を読むと決め、それをニンジンにして可視化しためんどくさい「やらなければいけないリスト」を処理していました。どんな話かの詳細は本作かアニメを視聴していただくとして、個人的にはこの米澤穂信という作家に出会えたことがデカく、著作のすべてを読むのには時間がかかりそうですが、それだけ楽しみがあるのは零れ幸いです…って、わたしのことは横に置いておくとして『トロピカルパフェ』は合理的に考えることについて、共感との差異やその冷たさについてフィクションに巧く載せてあって唸らされています。

読んだものついでに書いておくとノンフィクションだと

 

gustav5.hatenablog.com

原武史という政治思想史研究者の著作を読みはじめています。本書は重松清さんとの対談本ですが、なぜポルノで団地妻というジャンルが出来たのかを含め団地に焦点を当てた本で、「子どもの教育上」というキーワードで生理的嫌悪感を催すものを排除し人工的な管理空間を作ることの是非のほか、民主主義=多数決が同調圧力になってしまう怖さなどにも触れられていて、濃い本でした。

来年もフィクションの海に溺れたりノンフィクションを読んで新たな視点を得たいな、と思っていたりします。どこまでできるかわかりませんが。

さらに本のついでにくだらないことを。

gustav5.hatenablog.com

人間失格カステラサンドというのを秋に買いました。駅で見かけて衝動買いしたもので、詳細は製造元の工藤パンを扱うお店で買ってたべていただくとして、正直個人的には「買ってよかった2024」とは真逆の「たぶん二度目はないかも2024」の筆頭にあたる商品です。が、食べながらこれがどう『人間失格』とつながるの?とか太宰治の文学作品についてあれこれ考えてしまい「してやられた!」と思えた秀逸なカステラサンドです。

以上、つらつらとふりかえって書いてきましたが、ジャムのふたをあけて嗅ぐとか、フィクションの海に溺れた、とか、団地妻とか、人間失格とか、文字だけみているとマトモではない人間であることの自白になっている様な気がしてならず前を向きたいのでこのへんで。

末尾になりましたがこれを読んでいる皆様のご健康とご多幸をお祈り申し上げます。