回転寿司屋の前で

社会人になってそれほど経たない頃、自分より年次がすこし上の人がふとした拍子に「あそこには××があって」といまはもうない建物や目印や店のことをいうことがありました。それを聞いて「実際にそこにないものをどうしてこの人は教えようとするのだろう」と不思議に思ってた時期がありました。

いつものように話が横に素っ飛ぶのですが。

勤務先のそばの地下街にはお酒を出す店はいくつもあります。今日から久しぶりに以前の営業に戻ってて、今日は寄り道はしていませんが、第六波が来る前にそのうち寄るつもりでいます。コロナ禍を乗り切れた店ももちろんあるのですが、残念ながら以前行っていたところでも乗り切れなかった店もあります。ひとつは今夏まで京都の玉乃光という酒蔵がやっていた店で、もうひとつは去年の夏まで麻布のハムソーセージ屋さんがやっていたサニーズという店です。もうやってないと知りつつもハムソーセージのサニーズのほうへ遠回りになるのですが足を伸ばしてみたら跡地ではチェーンの回転寿司屋が盛業中でした。復活はないな、と悟っています。

それを見て過去の記憶が数秒あふれだしてきてて、同時に、以前聞いた年次の上の人の気持ちが手に取るように理解できてます。つい口にするかどうかはともかくとして(その代わりにこんなふうにダイアリに書いてるのですが)、出勤時に置いてきてしまった昨晩書いた買わなくちゃいけないメモの内容を忘れても、その土地にリンクした記憶ってなかなか忘れないのではないか、と思うのですが、そんなことないかな。