ごま油を貰う

いまとなっては笑い話になるのだけど去夏に念のため一時的に1日10gの塩分制限をドクタから云い渡されていてそれを正直に実行にうつし、ドレッシングひとつとってみても大さじ一杯分の塩分量を確認してそれに酢を混ぜて、なんてことをしてました。夏ですから冷や奴を食べたいところですが、ネギをのせた豆腐に「ヒゲタ醤油に未練はないがー」と歌いながら醤油をテキトー掛けることなどはもちろんできません。なにかいい代替品はないかと考えて行きついたのがごま油です。ごま油に塩分はありません。豆腐に少量の柚子胡椒を載せごま油をかけたり、豆腐に塩昆布を載せてごま油をかけたりしていました。マルホンとかのどこでも売ってるごま油でもイケます無問題です(コレステロール値さえ正常ならば)。そこらへんからごま油熱が煙がでない程度にじわじわとあがりはじめました。

私は酒を含めてその土地でどんなものが愛されてるのか教えてもらうことがあるのですけど、京都で教えてもらってたのが山中油店というところのごま油です。少しだけクセがあるというか理屈はわからぬもののピーナツの香りがうっすらします。でもそのクセが忘れにくく中毒性があるというか、あったらもう一度試したいと思わせるものでした。でも残念なことに私が住む東京では扱いがありません。祇園祭は見学したいのでその京都ゆきまでお預けかなあ、と思ってたところにこのコロナ禍で祇園祭は中止です。しばらく無理かなあ、と諦めていたのですが。

今春に見舞いを送った(山中油店を教えてもらった)京都在住の知り合いから昨夜返礼がきて、その中にありがたいことに山中油店のごま油がありました。思わず「おおおおおお」と低い唸り声をあげ(夜に黄金に輝く液体に驚くおっさんをご想像ください)、すぐさま礼のメールを送ってます。私は舌とやる気が直結してるところがあります。なのでしばらく忙しい日が続くのですが、これをニンジンになんとか乗り切れそうな気が。

余談ですが製造所が埼玉にあることも今回知りました。県境をまたぐ移動制限が解けて埼玉へ行く機会があったら探してみるつもりです。埼玉の油が京都でずっと愛されてるのもなんだか興味深いのですけど。