つめたいピロシキとぱさぱさのあんパンのおそい昼下がり

「幸せってなんだっけ?」っていうキッコーマンのCMが平成ひと桁の頃にあって、その答えは「ポン酢醤油のあるうちさ」でした。論理の飛躍があって、もちろん異論もあるかと思うのですが、ポン酢醤油鍋物などに使われることがあり、鍋物をするからには湯気が立ち、おそらくその家はあたたかいものを食えるのだから幸せだろう、という意図かと思います。そのCMが妙に印象に残ってて、あたたかいものは私は人を幸福感に浸らせるのではないか、と思っていますって、もしかしたら似たようなことを以前、書いてるはず。

「土日の外出を控えろ」というお触れが出ていたのは知ってはいるのですが、お触れを忠実には守れない事情があって、土日は外出していました。もちろん人は少なめです。人が少ない街中でどういうことが起きるかというと、興味深かったのはパン屋さんのパンが微妙に変化することです。パン屋さんもパンを余らすわけにはいかないのだろうと推測するのですが出来てからある程度経過したであろう故に、おそい昼飯に買ったあんパンがぱっさぱさでした。つめたいピロシキは耐えられないことはないのですが、ぱっさぱさのあんパンは食べてるとやはり悲しくなってきます。

つめたいピロシキとぱさぱさのあんパンを食べたあと、勤務先の自販機で買った温かいお茶を飲むと不思議なもので「ま、この非常時なら仕方ないかな」と思えたのですが、おそらくそのように思考が変化したのはあたたかいお茶のおかげです。なんだろ、ポン酢醤油のあるうちが幸せかどうかはともかく、論理の飛躍をお許しいただきたいのですが、あたたかいものはやはり人を変えるし、人にとって重要だよなあ、と。