久能山へゆく

旅に出る朝に寝坊しました。わくわくして眠れないというわけではなく、原因は相互にスマホのアラームを設定してるだろうと予測したことで二人ともまったく設定せず・確認せずにいて、気が付いたら寝坊してました(こういうのを共倒れというのかも)。致命的な寝坊ではなかったので予定どおりではないけどキャンセルせずに静岡へ。久能山東照宮というのがあり、隣の日本平からロープウェイへ行くこともできるのですが出発が遅れたこともあり駐車場などの混雑が把握できたので久能山下から表参道から行くことに。

さらっと表参道と書いたのですがほぼずっと階段です。江の島やこんぴらさんを経験してるのでなんとかなるんじゃ?という浅い予測をしていたものの、正直、若干きつかった。帰京後知ったことですが1159段あり、それにひっかけて「いちいちごくろうさん」ともいうそうで。段数を知ってたら日本平経由にしてたかも。

登り切って大休止してるときに拝観券についてきた久能山東照宮のパンフを開くと、そこには家康公の遺訓として

「人の一生は重荷を背負いて遠き道を行くがごとし、急ぐべからず」

という語句が目に付くところに書いてあって、上から目線の苦労するのが当たり前的なその人生訓じみた語句を読んでしまったら感覚的に「いっちょん好かん」と反発する程度には疲弊していました。ただ社殿そのものは黒漆に赤、緑、金、黄土、紺、白などの(おそらく)顔料があしらわれ、とても華美です。真田丸でもさらっと出たと思うのですが・個人的には司馬遼太郎作品で知ったのですが「厭離穢土欣求浄土」という徳川の幟の、浄土を視覚的に表現するとなるとこうなるのかなという色彩で、興味深く見応えがあります。

 

静岡は隠れた名酒の産地なのですが、それらの酒が奉納されてる脇に

模型産業が盛んなので不思議ではないのですが

ふふふと笑ってしまう程度に模型がいくつも奉納されてます。

なお海辺の山の上なのでもちろん眺めも良いところです。

ただ、いきはよいよいかえりはこわい、という歌詞がありますが高所恐怖症になったのか、下りがちょっと怖かった。階段って下りのほうがちょっと怖いことってないっすかね。振袖草履で降りていた人も見かけたのでそんな急ではないかもなのですが。

挫折しないで行けた満足感は確実にあって、まだ体力がそれほど落ちていないことの確認と自信にもつながったので、(旅行に消極的だったのを反省してて云わなくちゃと思ったので)謝意を述べたら「(いつか)また登る?」と訊かれたものの、即答できず笑ってごまかしてます。

予定していたところがお休みだったので翌日は三保の松原へ。以前と違って世界遺産になったせいか、植生はクロマツがほとんどなのですがクロマツに依存する虫やキノコの研究の説明や三保に関係がある羽衣伝説などを含めたガイダンス施設ができていました(恥ずかしながら羽衣伝説が大阪などあちこちにあることをはじめて知った)。伝説では天女が三保で水浴びしてて羽衣をかけた松が三保にあることになっています。水浴びをしてるところを覗かずに羽衣に目を奪われる男ってありえるのかな、って素朴な疑問があるのですがそれは私の精神が汚れてるだけかもしれないので横に置いておくとして。

 

クロマツは画面左、北へ曲がってるものが多く、海は右で、風が南から北へ強く吹いてるのが推測できます。行った日は穏やかでしたが、荒れるときは荒れるのだろうなあ、と。羽衣をひっかける曲がった松があってもおかしくはなかったり。

なおカメラで撮るとそれほど大きく見えませんが、現地で観ると銭湯の絵の富士山のようにかなり存在感があります。

三保には東海大学の水族館があります。ここも二度目で、ペンギンもいませんしセイウチのショーがあるわけでもないちいさな水族館ではあるものの飽きなくて、予定が外れ訪問できたことが零れ幸いに思える場所です。こっちを見ているのはシロワニです。ワニの名がつきますがサメです。

写真はクエで機械ではありませんが、館内には魚の泳ぎ方を機械に置き換えてスクリューがなくてもどうやって推進力を得てるかなどの目で確認できる説明や、魚類の身の一部を再現してそれを水中に沈めるとどういう抵抗があるか体感できる説明があります。「なんでそうなってるの?」という謎がある程度わかるので地味なのですがとても興味深かったり。もちろん知ったところでなんの役に立つ?といわれればきついのですがなんの役に立つかわからないことほど、血沸き肉躍るってこと、ないですかね、ないかもですが。

水族館を堪能した後、三保から清水の中心部へ行き、マグロを食べて帰京しました。