武蔵野の雑木林の中で育ったので海にはあんまり縁がありません。10代後半に横須賀へ行くことがあってそこではじめて赤色や紫色のヒトデを目撃し後ずさりし、見慣れぬ異形の生命体にうっすらとした恐怖を覚えた記憶があります。その反応が面白かったのかデートなどで葛西臨海を筆頭にいくつかの水族館を訪問しています。改装前の江の島水族館も訪問してて、しかし移転改築して新江の島水族館になってからは行ってなかったので避寒を兼ねて行ってきました(降雪がないだけで江の島も寒かったのですが)。
相模湾の逗子の水中を再現したブースがあります。やはり「異形の生物がたくさんいる」感が強いです(できれば触りたくないな、程度の)。でも生来の好奇心ゆえかついじっくり見ちまうところがあります。見てるうちに麻痺して異形ってのは見慣れてるかどうかどうかなのかなと気が付き赤とか紫のヒトデがこの中に居たらおかしくないよな、的なことを考えちまい、異形とおもってるものが異形と思えなくなってきます(でもできれば触りたくない)。
クラゲも異形の生物感があり、できればいまだ触りたくないなあ感が強いのですが、浮遊しているのを眺めてるとなぜこの形状をしているかがうっすらと理解できてきて、そのうち目で追っていました(でも触りたくありませんが)。
綺麗にディスプレイされてる展示もあります。でも不思議と周囲に人がいませんでした(怒られそうなことを書くと、クラゲの浮遊する無駄のない機能的な姿を見ちまうとこの展示は要らないよなあと思えた)。
触りたくないとかてめえの感想はともかくとして、飽きさせない工夫はあちこちにあります。
頭上を通過するとやはり「おお!」となっちまいました。でもって写真は撮らなかったのですが、光の届かない深海で、クジラの死体であるとか熱水噴出地帯で発生する硫化水素をエネルギー源として有機物を作る化学合成細菌を共生させている生物や生態系の展示もあります。地味なんすがあらためて見学すると興味深く、生態系って巧くできてるよなあと唸っちまったんすが。
巧くできてるよなあ、という点ではペンギンもで
水鳥ならではの水中での彼ら彼女らのスピードを目の当たりにするとペンギンの姿かたちはこのためなんだな、進化って巧くできてるよなあとあらためて納得しちまいます。
やんちゃな子っぽく見えちまうのはペンギンに人間を投影しちまって良くない傾向かもですが、なんだろ、つい口許が緩んじまうところがあったり。
正直に書くと疲労が若干あって、でかけることがほんのちょっと億劫だったんすが、水族館の中に入ると雲消霧散してました。知的刺激って麻薬的なところがないですかね、ってないかもですが。