これから行われる儀式の雑感

行政機関がなんらかの行為を行う場合はなにかしらの根拠になる法律が必要です。行政が行政指導を行う場合については行政手続法という法律がありますし、国とておなじことで自由にできるわけではなく、たとえば国と自治体との間でなにかしらもめ事が起きたときにはすぐには訴訟には持ち込めず地方自治法による国地方係争処理委員会という組織でまず審議しなければなりません。

国が行う国葬について国葬に関する法律があるかといえば無く、だとしたら仮にやるなら新たに作るのがスジでは?と詳しくはないシロウトなりに考えていたのですが、結果として内閣設置法および閣議決定を根拠とする旨の報道が9日付けの毎日新聞にありました。しかし相当苦しくて、内閣府設置法が根拠であるとするとそもそも内閣葬とどこが違うんだ?ということになるわけで。

維新の議員がほぼ同じ考え方をしてて・同じ疑問を持ったようで、それらの質問をしたことを読みすすめた質疑応答の要約記事で知ったのですが、その要約記事内の答弁では内閣葬と国葬の違いについての言及はありません。質疑応答にもなってないようで。

加えて、新たに国葬の根拠法を作らなかったことに関して「国葬は国民の権利を制限したり義務を課すものではないので内閣府設置法とは別の根拠法を作る必要はない」と上記の質問した維新の議員への答弁も要約記事にあったのですが、冷静に考えると変で、そのロジックが許されるのならば、国民の権利を制限したり義務を課すものではない既存の法律の条文に無い行為はなんでも内閣府設置法閣議決定で執行できちまいかねないわけで。

日本語で質問して日本語での返答があってそれらは形式的にはたしかに質疑応答なのですが実質的には質疑応答になってない部分があって、また、最初に無理筋の決定事項があってそれに肉付けすることによってかなり奇っ怪なことになってきた感が記事を読む限りは強いです。もしかしたら「無理が通れば道理が引っ込む」っていう実例を見せられれるのかもしれぬものの、そんな実例見たくなかった感もあるのですが。

不勉強ゆえ、あまり政治に詳しくないのでこのへんで。