「保育園落ちた、日本死ね!!!」のこと

はてな今週のお題が「印象に残った記事を紹介する私のブログ・ネット大賞2016」です。
はてなには匿名で書けるはてなAnonymousDiaryってのがあります。そこにかかれたのが「保育園に落ちた」のエントリです。一億ソースカツ社会じゃねえ一億総活躍社会とはいうものの必ずしもそうなってはない・女性が社会で職を得るためにこどもを保育園に預けようとしたけど落ちてしまったことを実感を込めて嘆いたエントリです。事態が一変するのはこれがなぜか国会で取り上げられてからで、びっくりしたのはさらにそのことによって立法府と行政府と世論がちょっと動いた点です。
わたしは間違ってあほうがくぶを出たクチですが、法学部においては立法事実という言葉を習うことがあります。法律をつくらなければならない社会的な事実関係の存在ってかけば答案はオッケイかもです。法案や条例案を作るとき法律が必要な状況を精査し検討を加えて法案・条例案にします。たとえば環境問題などでなにかしらの対策をとりたいときに法や条例などを制定することがあり得るわけですがほんらいは実態や考えうる対策等を詳細に検討する必要性があります。今回は異例というか異色なのは、そこらへんすっ飛ばして・立法事実があるかどうかをすっ飛ばして、(あとで中の人が出てきたのですが)誰が書いたのかわからない・どこの地域のことであるかもわからない、しかし保育園が足らないという主張がクローズアップされ解決しなければならない最優先問題のひとつのように扱われた点です。世論が動き・立法府が動き・行政府が動き、結果として保育園が増えたのならばそれは女性の社会進出にプラスであってめでたいことである・結果オーライかもしれません。
でもなんですが。
細かいことを抜きにして強い口調で主張するとこの国はその方向へ有無をいわさず細かいこと抜きでぬるっと動くという実証でもあった気がして、(死ねといわれてしまった日本に住んでるものとしてその空気が)言葉にしにくい若干の恐怖がないわけではなかったり。