聞き間違えのこと(もしくは秋に思い出すこと)

ライオンズの優勝の可能性が出てくると以前は西友の店内放送で松崎しげるさんが歌う応援歌を流していて西友で買い物してると否が応でも耳にせざるを得なかったのですが、そのなかに「ミラクル顔面奇跡を呼んで」と聞こえる歌詞がありました。かつて阪神に亀山というヘッドスライディングで有名な選手が居たのを知っていたので「ミラクル顔面奇跡をよんで」は1塁などへ顔面から突っ込んでヘッドスライディングで結果的に逆転した場面を描写してるのだなという解釈をし、ファイティングスピリットを讃えてるのだな、と長いこと信じていました。過去形で書いたのは

ラクル元年奇跡を呼んで

「地平を駈ける獅子を見た」

という正確な歌詞を数年前に知ったからで、幸か不幸かライオンズの応援に一度も行ったことがないので恥をかかずに済んでいます。

くだらないけど続けます。

「うーさぎうさぎ」ではじまる十五夜の夜にまつわる童謡があります。それをどこで聞いたのか記憶があいまいなのですが、長いこと「十五夜お月さん見て帰る」だと思っていました。「天の原ふりさけみれば春日なる三笠の山にいでし月かも」という短歌があるのを知ってからは月というのは眺めれば望郷の念を募らせるものである、と(いまから思えばかなり勝手な)解釈をプラスして、十五夜の月を見て望郷の念に駆られてうさぎが故郷である月に帰る壮大な物語のダイジェストだと考えていたのです。それが崩れたのは数年前、親御さんに連れられた見ず知らずの小さな女の子がバス停で

うーさぎうさぎなにみて跳ねる

十五夜お月さん」

と歌ってて「え?今跳ねるっていった?」と疑いを持ち、検索して「月を見て望郷の念を抱くうさぎ」などいないことを理解しました。「ミラクル顔面」も月見て帰るうさぎなどいなかったことを知った後にもしや?と検索で調べています。

子ほめという落語があって灘の酒とタダの酒を聞き間違える人物が出てきます。「ミラクル顔面」と「十五夜お月さん」の実績があるので個人的には笑えぬものの、子ほめを知ってからは人っておのれに都合の良いように聞き間違えるのではないか、と疑っています。私も既知のことに沿うように都合の良いよいように聞き間違えていたわけで。以降、気を付けるようになりました…って、落語と違ってオチもなんにもないのですが。

幸いなことに聞き間違いで大きなポカはありません。ただ、このテの失敗はさっさと忘却すればよいのによりによってなぜか忘れずにいて(秋だとライオンズの順位であったり秋の十五夜であったり)何かの拍子に記憶が蘇ってうがーっとなったりするのですが。こればっかりは対処法がなかったり。