ブラタモリ吉祥寺

両親が忙しかったので家族でどこかへ出かけるということはほとんどなかったのですがそのなかの数少ない記憶が両親と井の頭池のボートに乗ることで、冬の朝は井の頭池に薄く氷が張りまして、それを砕氷船のように割ってゆく光景を覚えています。井の頭池には弁天様が祀られてるこるのですが私が十代の頃はなぜかあの弁天様は男女のカップルで井の頭へデートで行くと嫉妬するという噂がありましたっててめえの昔話はともかく。なまじっか知ってるつもりでいたのでブラタモリで吉祥寺をやると聞いて「45分間埋めることが出来るのだろうか」と思っていました。

神田上水の水源として井の頭池があり外来生物駆除のためのかいぼりを行っていること、(以前はアオダイショウがいたんすが)玉川上水が近隣より若干高くなってること、吉祥寺には吉祥寺という寺はないこと、五日市街道が先で中央線があとなので駅からみると道が斜めになっていること、月窓寺が敷地をかなり持っていること、などは既知のことで特段驚くに値しなかったのですが、深く掘り下げられていたので好感が持てました。また井の頭池の水質が良くなっていることははじめて知ったので、うれしい限りであったり。ひとつだけ、触れてほしかったのはハモニカ横丁です。空襲対策として戦時中に建物を取り壊して更地にし、戦後そこにヤミ市が出来て吉祥寺は栄えた側面があります(吉祥寺のある武蔵野市は9回空襲があったのです)。でも45分では収まらなかったかなあ。
番組中、五日市街道に面した吉祥寺北町の1キロ強のウナギの寝床のような短冊状の長い敷地に触れられていましたがあれは吉祥寺に限りません。三鷹や小平や府中、立川などにも街道に面した細長い敷地の畑があります。もうちょっと書いておくと水田は武蔵野ではほぼありません。水はけがよくないので稲が育てられないのです。芋類やキャベツ、それに触れられていましたが白ウドが栽培されています(なにを云ってるかわからないかもしれませんが桑の葉を貯蔵していた地下の室に入れて真っ白いうどを育てるのです)。でもってまっすぐな道や短冊状の敷地は見慣れた景色であったので、逆にそれがブラタモリ的に面白いのかと、ちょっと新鮮でした。
はじまる前の心配は杞憂でした。今回も濃い45分間でした。おのれの青春が詰まっている街が取り上げられることがちょっと嬉しかったです。