『ゆびさきと恋々』の4話までを視聴して

MXで夜に放映しているアニメ『ゆびさきと恋々』の4話を録画したものを視聴しました。原作は女性向けのマンガでここを書いているのはおっさんで対象外のはずゆえに感想をいちいちここで報告する必然性は限りなく低いのですが、匿名を奇貨として、以下、書きます。詳細は是非本作をご覧いただきたいのですが、大前提としては聴覚に障害がある手話を操る大学生雪さんと雪さんの大学の先輩の逸臣先輩との先輩後輩の話です。

いつものように幾ばくかのネタばれをお許しください。

雪さんには桜志くんという手話を利用して意思疎通できる幼馴染が居て桜志くんは雪さんに対して若干過保護に思える態度を取ることがあり、4話前半では逸臣先輩との待ち合わせ場所へ向かう途中でその若干過保護な桜志くんに鉢合わせした際、雪さんは「図書館へ行く」と嘘をつきます。嘘をつかれたことを知らずに先日夜中に遭遇(3話)したあとどこへ行っていたのかを桜志くんは問い詰め、電車内でいくらか寂しげな表情をした桜志くんは横に座る雪さんに体重によっかかり、対して「重い」と手話で抗議するものの離席したりはしない描写があったのですが、雪さんのことがどこか心配な桜志くんと桜志くんが薄々心配してくれてることを感づいている雪さんの2人の単純な他人行儀ではない関係を巧く描写してる気がしてならず、ちょっと唸らされています。

もういくばくかのネタバレをお許しください。

雪さんは図書館へ向かうと桜志くんには云ったものの逸臣先輩が待つ駅で降りてしまいつられて桜志くんも降り、そこには逸臣先輩がいるわけですから当然のように嘘をつかれた桜志くんは激怒します。桜志くんは雪さんに手話で文句を言い雪さんはあえて目をそらししかしその内容は逸臣先輩はわからず、桜志くんは逸臣先輩に声に出して聴覚に障害がある場合の最低限の忠告するのですが雪さんを障害の無い女性と同じように接している逸臣先輩は桜志くんを挑発ししかしその会話は雪さんにはわからずで、その雪さんをめぐって逸臣先輩と桜志くんが対峙する描写は女性を巡って男2人が対峙するというどこにでもありそうなものではあるものの、なんらかの障害があったときに配慮すべきか否かという問題や、共通の意思疎通の手段がない場合の難しさが伏流水のように流れてる気がして、やはり唸らされています。

さて感情を隠さない桜志くんにあったあとに逸臣先輩の雪さんへの態度が微妙に変わり周囲が気が付く程度に声音も変化します。しかしその変化が補聴器越しにしか聞こえない雪さんにはわかりません。指摘されて「どんな声だったのか?」と雪さんが悲嘆ではなく良い方向に思いを巡らす描写があって、どってことない些細なエピソードなのですが、そこをきちんと描いてる点も唸らされています。

それぞれについて書いてしまえばどってことない些細な描写なのですが、しかしその裏に潜むものをきちんと炙りだしつつ羅列してあって、なのでフィクションではあるもののどこかリアリティというか妙な説得力がある気がしました。

以下くだらないことを。4話では雪さんと友人のりんちゃん、逸臣先輩と逸臣先輩のバイト先の店長でのコストコ遠征がメインです。コストコでティラミスも買ったことになってるのですがサイズがでかそうで逸臣先輩が喰うにしても雪さんが喰うにしても2人で喰うにしても食べきれるの?飽きてないの?感があったのですがそれは横に置いておくとして、世の中の人はあのサイズのティラミスを喰うのか…とコストコ童貞(…コストコ童貞?)ゆえの変な発見をしています…って、アニメの感想を書こうとしていつの間にかぜんぜん違うことを書いてる気がしてるのでこのへんで。