『宇崎ちゃんは遊びたい!ω』1話を視聴して

『宇崎ちゃんは遊びたい!ω』の第1話を視聴しました。ヒロインである宇崎ちゃんと高校時代同じ水泳部に居た桜井先輩を主軸としたコメディの2020年の1期に続く続編です。

もっともコメディといってもいくらか異質です。1話では桜井先輩は宇崎ちゃんに夜遅くまで眠らせてもらえなかったことを友人である榊くんにぼやくシーンがあります。なぜ眠らせて貰えなかったのかは是非原作か当該アニメをご覧いただきたくとして、夜遅くまで眠らせてもらえない肝心かなめの理由を桜井先輩は端折ります。日本語の文章を端折ると正確さを欠くと同時に同じ前提がない場合は誤解を生みやすくなるわけですが、その不正確さや誤解を『宇崎ちゃんは遊びたい!』は巧く利用してる部分があって、そこらへんも相変わらず健在です(アニメに詳しくないのでそれがちょっと斬新に思えるのですが)。

さて、1話では(宇崎ちゃんと桜井先輩をくっつけようと策を巡らす)榊くんに桜井先輩、宇崎ちゃんでボウリングへ行きます。いくばくかのネタバレをお許しいただきたいのですが、桜井先輩は全力で勝負しますし、宇崎ちゃんは煽りつつ全力で妨害します。桜井先輩は宇崎ちゃんにまったく遠慮をしませんし、宇崎ちゃんもまた形式的には先輩扱いするものの桜井先輩に遠慮がありません。一時的に宇崎ちゃんと桜井先輩の間には年齢差や性差や体格差の考慮といったものが存在しないきわめて対等な関係が成立しています(宇崎ちゃんの姑息な妨害に目をつぶれば)。固有の差の考慮というものが無い世界をフィクションに乗せて垣間見た気がしてならず、ちょっと唸らされています。と同時に、性差などの固有の差の考慮のない対等な世界は、やはりフィクションでしかできないのだろうか、コメディに近接してしまうのだろうか、などと思考が謎発展したのですが。

くだらないことをちょっとだけ。

宇崎ちゃんと桜井先輩のバイト先では2人の大学の先輩でもある亜細さんの手によって新しい制服の候補がこっそりと用意されていました。どんなものかは是非原作かアニメをご覧いただくとして、宇崎ちゃんも桜井先輩も拒絶するようなシロモノです。自らに害が及ばないと考えると傍観者的な人ほど人を人形扱いする人いるよな、などと眺めながら考えていたのですがその数秒後、それら制服候補はグッズとしてのフィギュアにありそうなものでもあることに気が付いています。つまりグッズを買ってしまうような観ているコアなファンをなにげに刺しにいってて、エピソードになんだか皮肉が利いてて唸らされています。

なお、相変わらず宇崎ちゃんの胸の描写が無駄にちょくちょく入ります。それ必要なのだろうか、と思っちまうところがあります。そんなふうにアニメに詳しくないので、加えてアニメの感想の作法も知らないので、的外れなことを書いてる気がするのでこのへんで。