トトロの森へ行く

週末にやっていた「カリオストロの城」をちゃんと視聴したのは一回こっきりですがけっこうしっかり覚えています。「となりのトトロ」も視聴したことは少なくとも一回あるはずですがどんな話かは既に記憶がありません。私の脳内はエンタテイメントが好きなのかもですが…ってそれはともかく、子供が居ればもう一度視ることもあったかもしれませんがそういう人生には足を踏み入れなかったのでいまトトロと云われて記憶として残ってるのは何か居そうな薄暗いどこか懐かしい林の描写です。似たような林は私の子供の頃はけっこうあったのですが宅地化されてかなり少なくなってます。カリオストロをちらっとみた翌日、トトロの舞台とされる所沢にトトロの森とよばれるところがあるとは以前から知ってはいて、遠出する予定を消して時間を持て余していたのと天気も良かったので(カリオストロとトトロは同じ人物が関与していた以外ちっとも関連性がありませんがなんとなくのノリで)所沢へ行っていました。

関東平野といっても所沢のあたりは丘陵地帯で、傾斜のあるところはまだ緑が残っています、というか、残しています、が正解かも。

緑を残している丘陵の中にいっぺん入ってしまうと常緑樹がけっこうあるせいもあって、いくらか薄暗くなります。

コナラかクヌギか、ともかく落葉樹もけっこうあって、奥に湧水があるっぽくて曲がりくねった水路がちょろちょろと流れてるのですがそれがわからないくらいに落葉が堆積していました。

写真はうっすらと暗いトトロの森一号地周辺で、スギなどの針葉常緑樹が植わってます。スギは水分が多くないとNGなので、このあたりが水分豊富なことの証明でもあります。もちろん原生林ではありませんから大木はひとつもありません。スギは少なくとも意図的に植えたはずです。スギ花粉の時期に来なくてよかった、という意見で一致してます。

スギの下にはやはり湿気を好むシダ類が生えてます。なんかこう、笑えるくらい植生の教科書みたいな場所です。

暗くても生えてきてしまう竹もあってダイジョウブなの?と思いつつ歩いていたら(乾燥しやすい)尾根筋では今年になって(おそらく以前植わっていたであろう水分がスギほど必要としない)コナラやアカマツを植えた旨の掲示があったので管理は計画的になされてるのかも。コナラもアカマツ薪炭材料で、所沢近辺も薪炭の供給地であったのだろうな、と。なお所沢のトトロの森を含めた狭山丘陵のけっこうな数の林を複数の公益財団法人が管理しています。

よい天気なのですが森の中というか林の中ではほんのり薄暗いです。暗いというのがそれほど怖くないのが不思議で、それが私が人として暗い性格…じゃねえ、武蔵野の雑木林の中で育ってきて当たり前だったからかもしれないです。トトロがあまり印象に残らなかったのもそこらへんに起因するのかも、って私の内心の分析なぞどうでもよいのですが。

林が途切れた丘陵の尾根筋には茶畑もありました。お茶の木も水分をあまり必要としませんから不思議ではないのですが、あるとは予想してなかったのでちょっとびっくり。もっとも「味は狭山でとどめ刺す」っていって所沢を含む狭山丘陵は狭山茶の産地でもあるので茶畑があってもちっともおかしくはありません。

トトロの森1号地からそれほど遠くない場所には人造湖である狭山湖があります。林の中と違って開放的な場所です。丘陵ですから坂道もあって軽い散策というよりちょっとハードな散策になってしまったので狭山湖畔で小休止してました。トトロの森も狭山湖もコロナ禍じゃなかったらたぶん来なかった場所ですが、来てよかったな、と思える場所でした。

狭山湖畔は別として人は少なめです。なお、22日の段階で埼玉県南部はかなり色づいてました。現場からは以上です。