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いま読んでいる「米・百姓・天皇」(網野善彦石井進著・ちくま学芸文庫・2011)では茨城の鹿島神宮の近辺で貞観年間に栗を5700本、椙(スギ)を34万本植えていた(P141)という記述がありました。当時鹿島神宮も20年に一度の式年遷宮をやっていてそのための建築資材で、クリの木は朽ちにくいのでおそらく土台に、スギは土台以外の構造材部分に使われたはずです。ところがいまも伝わる伊勢神宮式年遷宮ではやはり水に強いヒノキ材を土台も土台以外も使ってて、茨城と伊勢のこの差はなんなのか、気候の違いによるものなのか・加工技術によるものなのか・建築文化そのものが違ったのか、ちょっと謎です、って日本史や式年遷宮の話をしたいわけではなくて。

はてな今週のお題が「花粉」なのですが、花粉症の話題としてよくでてくるのが植林政策です。戦後になってある程度必要になって来るはず、として植えられたのが建築資材としてのスギとヒノキで、水分の多い谷には成長に水分を必要とするスギ、水分の少ない尾根に比較的乾燥に強いヒノキが植えられています。もちろんクリも戦後に地域によっては食糧増産もかねて植えられてはいるのですが、朽ちにくさを買われて鉄道の枕木として使われはしたもののなぜか建築資材としては不思議とメジャーではなくなってて、多摩の以前住んでいた街では完全に放置されてますし、山間部では放置されたクリ林に猪が侵入し猪がクリの味を覚えてしまった、っていう話を聞いたことがあります。

話はいつものように素っ飛びます。

白状すると私はヒノキの花粉に弱いです。先月末あたりから「多少目がかゆいかな」程度だったのですが、先週土曜あたりからクシャミが出るようになっていて、日曜朝のNHKのニュースの天気予報で南さんがヒノキ花粉が飛びはじめたことに言及してて、それでおのれがヒノキに弱いことを強く自覚した次第です。でもって、ヒノキ派としてはNHKの南さんのように天気予報でいま何の花粉が強く飛んでいるか伝えてくれると対処しやすくてわりと有難いのですが、そこまではムリかなあ。伝えてくれるなら受信料を余計に払っても良いです。

歴史にifは禁物ですが、ヒノキではなくクリが植えられてたらこの時期、楽だったのではないか、と思わないでもないです。いずれにせよ、しばらく地獄が続きます。