45分

はてな今週のお題が「#私の一人暮らし」なんすが。
よく一人暮らしのコツとして時間の空いてるときにご飯をたくさん炊いておき、1食分ごとにラップで包んでおけ、というのがあります。が、それをしていません。なるべく炊き立てご飯を喰うようにしています。いま持っている炊飯器は予約はできるけど、炊き上がりの予約時間に帰宅できるかどうかというのはなんともいえないので、帰宅してから炊飯器のスイッチを入れ炊き上がるまで45分ほどいつもかかって夕飯です。ライフハックという言葉があって、簡便かつ効率的にっていうノウハウがあるのは知っていますが・おそらくその観点からは不効率極まりない「バカじゃないの」といわれそうなことなのですが、できれば美味しい炊き立てを食べたいという一心でそういうことをやってます。
炊き上がるまでの45分すべてをつかうわけではありませんができうる限り料理をします。もちろん手の込んだ料理はできません。たとえば昨夜やったのがチキンアドボという鶏肉の料理です。ニンニクとタマネギとブラックペッパ―を振った鶏肉を油で炒め、そこにローリエと酢と水を加えて煮込み、さらに砂糖と醤油と酒を加えて煮込むのですが、30分もかかりません(ほんとはゆで卵を加えるのがフィリピン流なんだけど卵は天敵なのでそれは省略)。惣菜や弁当を大丸やファミマで買えないこともないし、そのほうが簡便で効率的なのは知っています。でもなんすが、例えばチキンアドボの場合酢が香るのですけどそれが食欲を刺激しますし、なによりもそこそこの時間をかけてプロセスを楽しみながらやったほうが俄然、満足度は上がります。
死んだ親の主治医だった先生がよく口にしていたのが「食欲はすべてを癒す」です。ある程度食欲があって、食べ物を口にしていればよい方向に転がる・なんとかなる、という趣旨です。医学的見地からホントかどうかは残念ながら知りません。ただ親がいなくなったいまでもこの「食欲はすべてを癒す」ってのは間違ってないような気がしてて、意識しています。ご飯を炊くのも調理にこだわるのも食欲を喚起するためです。
同棲もしていないしその状況を奇貨としてひとり暮らしにおいておのれが納得すればいくらでも効率化・簡便化はできます。それをしないことについて書いてて「愚かだなあ」という自覚はあるのです。でもその愚かしさがちょっとだけ生活・食生活を豊かにしてる気がしてならんかったり。