芸術の秋

芸術の秋というのが今週のはてなのお題なのですが、この芸術というのが私にとってなぞで厄介であったりします。美術部というところに籍を置きつつもルノアールを観てこういうの描きたいなというのはあったけど、あんまり西洋絵画の観賞にはあまり興味を示さずにいて、なぜかといえば知識として知りつつもつまるところなにが良いのか判るようで咄嗟には判んなかったからです(日本画は巧く言葉にできないけどなんとなくわかる)。でもってこういうのの場合、それは良さを知らないからだとか、教養がないからだとか言外に「(世間的に評価されてるのにそれすらもわからない)良さがわからないやつはバカ」的な無言の圧力があり、ああ俺はどうせバカだしなあ、というところに落ち着きます。自分以外の誰かが良い、としたものをそのまま受け入れなくちゃならない、ってのはけっこう大変です。大変なんだけど、他人の考えを受け入れたほうが摩擦はないのでそのほうが楽なことは楽です。その楽なことをしないのでバカです。バカで居続けるのは絵を描いていた人間として最低限のプライドとしておのれのモノサシを自分で持っていたいからです。でもバカをおもてに出してるとろくなことになりませんから、あんまり芸術とかは語ることなく生きています。
3Pじゃねえ、3Bという言葉があります。ドイツ語圏のバッハとブラームスとベートーベンで、よく日本で取り上げられることの多い人たちです。私は大人になってからそれらの音楽を聴くようになりましたが、3Bよりもマーラーというユダヤ系の音楽家を積極的に聴くようになりました。3Bに比べてわけのわかんないところのある・癖のある作曲家ですが上を通過する人からはバカにされないので気が楽なんすがそれはともかく、人にはおそらく差異があって、差異があるので理解も・深入りの対象も差が出てきます。それでも話が通じることがあるので、なんかこう、芸術って奥深いのかもしれません。
つか、芸術の秋とよくいうのですが、芸術と秋がなんでくっつくんすかね。