読みたい本がそばにある幸福(もしくはなめろう丼のこと)

去年から「青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ない」(鴨志田一電撃文庫)というライトノベルズのシリーズを追っています。ラブコメディ要素がないわけではない物理学をベースとしたSFが基本の物語で、登場人物の抱えてる問題がかつてのおのれに全く身に覚えがないわけではなかったこともあって抉られて物語に妙に親近感があって今に至ります。

その青ブタの新刊が10日に出ることは知ってはいました。前回は本以外のおまけがつくアニメイトで予約したのですが、マスクしてるとはいえいい歳したおっさんにはアニメイトはいくぶん敷居が高いところで今回はアニメイトには近寄らずにいました。本屋で予約しようかと思ったのですが、新刊の題名が「青春ブタ野郎ナイチンゲールの夢を見ない」で、その名を告げて予約する勇気もなくずるずるだらだらとどこかの国のように無策のまま当日を迎えちまっています。アマゾン童貞を捨てるチャンスでもあったのですが、できることならリアルの本屋にお金を落としたい派なので、それも断念しています。

退勤後、さて買うぞ、と本屋に入ったまではよかったものの、電撃文庫のコーナーと文庫の新刊コーナーには「ナイチンゲール」はありませんでした。あれ、おかしいぞ?と思って角川系のコーナーも観たのですが見当たらず。アニメ放映から2年を経過しててそれほど大きなプロモーションをしてるわけではないので配本数が少ないのかな?しょうがないかなー、と思いつつ、近くにいた若い女性の店員さんに恥を忍んで「青春ブタ野郎ナイチンゲールの夢を見ない」が今日が発売日なのですが、ありませんか?と尋ねています。店員さんに連れられてレジのほうへ向かい、おそらく在庫情報が入ってるっぽいパソコンの前で電撃文庫であることと再度書名を告げると「在庫1冊だけありますね」。しかし電撃文庫のコーナーにも文庫も新刊のコーナーに戻ってもありません。応援の人がもう一人加わり三人がかりで探しはじめて1分くらいしたところで文庫ではあるけど電撃でも角川系でもないところに紛れこんでいた「ナイチンゲール」を発見してます。そのときみつけた喜びからかつい小声で「あった!」と云ってしまい、いっしょに探してもらった礼を述べたとき店員さんはにこにこしてたのですが、エロ本を買ったときよりこっぱずかしくて精算時に袋もカバーも要らないです、と断ってさっさと退店しています。マスクしていたのが幸いなものの本で冷静さを失うとは思ってなかったので、その本屋にちょっと行きにくくなっちまってます。

翌日も勤務があるので買った新刊は週末まで寝かせるつもりではあるのですが、前刊の布石はどうなってるんだろう?とか読みたくてうずうずしてる本が手許にあるってのはなんだかやはり幸福です。

ただ堪えきれずに冒頭の数ページだけ読んでいます。(藤沢が舞台のひとつなのですがその)藤沢勢の仲の良い3人組が江ノ島か片瀬西浜かでご飯を食べてる描写があり、そのうちの一人が食べていたのがなめろう丼で、かの地のなめろう丼には海苔が付いてて手巻き寿司にもできるしお吸い物を丼に入れて茶漬け風にできる、とも書いてあって、(なめろうを海苔で手巻きずしにする発想が無かったこともあって想像してしまい)猛烈に食べたくなっています。食べに行きたいところなのですが第三波が収束するまでは控えたほうが良いと思うので、(藤沢より鮮度は落ちるものの)アジと青じそを買ってきてなめろうを作って真似するつもりです。