書店のレジ前にて

十代の頃に那州雪絵というマンガ家に興味を持ちここはグリーン・ウッドというマンガを知りはしたものの、連載してる花とゆめ本誌を買う度胸はなく、単行本も住んでいた街で買うことに躊躇があったこと、なので住んでいる街ではないところの本屋で買っていたことを以前書いた記憶があります。誰も私を知らない街の本屋であっても花とゆめコミックスをレジへ持ってゆくというのは私にはいくばくかの勇気が必要なことであって、勇気を振り絞ってレジへ持って行き、本屋の店員さんが私が何を買うかなんてさして興味を持たないだろうし後ろに並んでいる人が私が買おうとして持ってるものを確認することなどないと頭ではわかってはいつつも、ブックカバーなんていらないし素早く袋に入れて渡してくれないかな、などと早くその場を立ち去りたいのでどきどきしながら思っていました。もちろん袋を受け取ったら長居をせずにとっとと店から出ていっていました。

去年から買いだした青ブタは表紙が萌え絵系でたとえばミニスカから悪魔のしっぽが出たりするのですけどそのような大人になっても表紙を他人に見られることに若干抵抗ある本を買うときにはさっさとその場を立ち去りたいのでやはり本を袋に入れてもらって店をとっとと出てました。惰性で文庫を買うときにはここのところ袋に入れてもらうことが多かったのですが。

話はいつものように横に素っ飛びます。

退勤時にわりと寄る本屋で興味を持った作家(住野よる)の文庫を購入しようとしてレジで精算したのですけど、表紙は誰に見られても恥ずかしいものではないもののいつものように惰性で袋に入れてもらおうとし、「袋が有料になりますが」といわれて、そこではじめて書店の袋が有料になってることを知りました。新聞は毎朝読んでいるのでビニールの買い物袋の有料化というのは知ってはいましたが、本屋までとは思ってなかったのです。「あ、いや、じゃ、けっこうです」といってカバーも袋もナシで引き取ってカバンの中に入れてます。釣銭を受け取りながら、袋代をケチるケツの穴の小さいやつに思われたらヤだなーと悪い方向に思考が転がってゆき、早くその場を立ち去りたくなって本屋から早足で出てきちまったのですが。本屋で本屋の店員さんや他の客が一顧客の内心や挙措動作にいちいち関心は持たないだろうと思いつつ、おそらくたぶん傍から見たら挙動不審者だったかも。

なんだろ、本屋のレジ前でたまに、平常心でいられなくなること・不必要にいくらか心が乱れること・挙動不審者っぽくなること、もういい大人なので、なんとかしたいところなんすが。