こんばんは。31日はハロウインです。ちょっとしたいたずらをしておりました。大のオトナがやることではないのですが、31日閲覧してしまった方は年1回だけのことなので笑って見過ごしていただけるとありがたいです。
オトナと書きましたが実質は私はこどもっぽいところがかなりあります。本気で怒られない程度のことはします。いやちょっと怒ってくれることぐらいが嬉しいというか、その反応が嬉しいというか、前にも書いたかもですが「かまってーあそんでー」ってのがあるというか。じゃあなんでオトナになってもその「かまってーあそんでー」が尽きないかといえば考えたくないけど、さんざんかまってもらってもしばらくして足りなくなる気がしてくるのですが、それはオトナがもつ強欲なのかもしれないっす。あと数年もしないうちに40越すのですが、いつかはその強欲がおさまるのかどうかわからないっすって、シリアスな話はともかく。
どれほどの人が読んでるのかわかりませんが、今年は以前はてなのつながりで知り合った方々のハロウィン企画に参加したときのフィクションをしばらく載せます。作るものを喰う人はどちらかというと辛いのが苦手なのでにこういういたずらやってみたいと思いつつ、やったことはありません。かまってここまで読んでくれた皆様に感謝しつつ、かまってくれなかったやつらのぷち不幸を祈りつつ、秋の恵みに感謝したいと思います。
【悪魔が来たりてかぼちゃ煮る】
小皿にサラダじゃなくてかぼちゃの煮物が出された。
「なにこれ」
「かぼちゃの煮もの」
いや、それは判るんです。さすがに。でも、唐突に出されたその料理にちょっとだけ戸惑いを隠しきれなかった。だって、あるのはカレーライスで、カレーライスにかぼちゃの煮つけ?さては、俺をカロテンできいろに染める気か?
「ああ、ひょっとしてレタスよりかぼちゃが安かったの?」
「いや、ハロウィンだから」
そういわれて、カレンダーをみる。確かにハロウィンだよ。ちょっとだけ、頭の中で灰色の脳細胞が回転する。ああスーパーで、かぼちゃ+ハロウィンで、なにかしようと思いついたのかな。そうだとしたら、なんかかわいい。かわいいっていうと、ぜったい怒るからいわねーけど。だから飲み込んで、言葉をさがす。さがしながら、そばまでいって、髪の毛をくしゃくしゃにしてやりたくなった。
「かぼちゃの煮ものなんて、よく作れたね」
あーなにいってんだ俺。もうちょっと気の利いたこといえねーのかな。そもそも煮物なんてなんてなんだよ。
「よく作れた、ってなんすかそれ」
さいばしを片付けてキッチンから出てきた相手は、やはり言葉が過ぎたみたいで、少し困った表情をしていた。ちゃんと勉強してるんだよーこれでも、っていう小声のぼやきつきで。
「あー、やはり美味しく見えそうにない?全然箸がすすんでないね。ごめん、付け焼き刃で作ったものだしなー、照りが難しいんすよね」
目の前で拗ねてみせられるとあんまりみたことが無い表情だったのでちょっとめずらしいもんみたな、と思うと同時に少しなにかの呵責を感じちまう。で、隣に座って、丁寧に箸を使ってかぼちゃを箸で運んでくれようとするので、されるがままに
「や、美味しそうだよ」
と口をあけてかぼちゃを食べた瞬間、
舌をなにかが刺激した。
「!」
「wwwww」
貴様、かぼちゃの見えない面にカラシを塗ったな!鼻にカラシがどストライクした結果、涙目になってるであろう俺を、面白そうに奴は眺めてた。眺めながら、飴玉をひとつ取り出して封を切って口へ放り込む。放り込んだあと、シャツのボタンを外しながらささやくように彼は云ったのだ。
「かまってくんなきゃ、悪戯しちゃうぞ」
ハロウィンの夜にはたぶん、いたずら好きの悪魔が居る。
ハロウィン超短編まつり(>w<)2010より転載(kanarihikokumaさま転載承諾に感謝します)