勤務はお休みだったのですがノートン先生を買いにいかなきゃ、だったので、都心部へ。ついでに銀座界隈まで足をのばしました。

歌舞伎座です。国の登録文化財でもあります。歌舞伎座と銘打ってますが月に数日は歌舞伎以外の興行もあります。たとえば笑福亭鶴瓶師匠他落語家の独演会の会場にもなったりします。
この建物、関東大震災の前に立てられはじめ戦争で焼け落ちたあと、躯体をそのまま生かして昭和25年に改修され、いまに至ります。そんな建物ですからエアコンはありますがエレベーターやエスカレーターとかいったハイカラなものはない(はず)です。つか、見た記憶はありません。よく4階の一幕見という千円程度の自由席を使うのですが、切符買った後は4階までダッシュします。余談ですが4階のロビーにあるジュースの自販機は、ちょっとお高めに設定されてます。
躯体は大正時代、それ以外は戦後すぐなわけで、建て替えの話はまえからあって、で、去年の秋に本決まりになりました。

ここで歌舞伎をかけるのは来年4月まで。歌舞伎座はそのあと取り壊されます。「さよなら公演」って銘打ってるのはそのため。
一応、現在地に歌舞伎興行の劇場を建替える予定で、ガラス張りの29階建てビルの低層部分に新劇場が入るようになります。なんでビルを建てるかっていったら歌舞伎座だけというか劇場だけ再建築すると演劇興行の収入では建設費を回収するのが難しく、地下鉄東銀座駅前という地の利を生かしてビルを建て高層部分をオフィスとして賃貸にまわして賃料を得ながら建設費の回収を図るほうがリスクは少ないっていう判断のはずです。劇場部分については今の外観を忠実に再現するって話があったのですが石原都知事が「銭湯みたい」と物言いがついちまい、装飾を減らしてガラス面を多くするなど修正した計画がいつのまにか今年になってでてきて、その計画が今月の東京都の都市計画審議会で審議されることになってます。そこで計画案が承認されればいまの様な建物は再現されない確率が高くなるわけで、和風建築の意匠にかなりのっとった建物での公演はもう来年春で終わりなのでその意味でも「さよなら公演」なのかもしれません。
ちょっと寂しいっす。


もちろん建物より中身のほうが大事で、器の問題をとやかくいうのは気が引けるのですが、できれば和風の伝統建築にのっとった建物のほうがって、ちょこっとだけ思います。