「ほんとはいくつですか?」

以前は童顔で年齢不詳なのをいいことに「ほんとはいくつですか?」と訊かれると、にっこり笑って小首をかしげて中指と人差し指を頬に当て「18でーす」とか30代の頃はたまにやってたのですが、最近は後輩から忠告を受けて年相応の態度をしなくちゃなってのと、いくらか白髪があるせいか訊かれなくなったのでしていません。でも年齢不詳気味は引き摺ってて、例えば初対面の人などには賢そうには見えないようでいくらか軽くみられることはあったりします。人ってこいつは大したことないなとか下とみえると気を抜くので地金が出ます。相手がしゃべりだしたら聞き役に徹し、最後に限界事例に近い質問をしたら態度を変えたことがあって、以降、どうもその人からはなんとなく警戒されてるのがなんとなくわかりました。警戒されるのはありがたいけど、こちらとしては担当している任務をこなせればいいので淡々とここのところは接してて、今日は仕事に関することで細かなことを質問をしながらつめてまとめてったのですげど、緊張が解けて、最後にお茶を呑んでいるときに先方から不思議そうな顔をして「ずっと気になってるのですが」っていう前置きのあと質問が。「楠田さん、あなたほんとはいくつですか?」
小首をかしげて「18でーす」ってやりたくなるのをこらえてテキトーに胡麻化したのですが、気が緩んでいたので危うく地金がでるところでした。