B'zというユニットがあって、私が10代後半頃にはすでにデビューしてましたからもう20年以上活躍してるはずです。でもって初期の曲の中に「Pleasure〜人生の快楽〜」てのがありました。

一晩中ギターと女の話で盛り上がってたあいつも
そつなく大手に就職決まりためらいがちの出世街道
重いマーシャル運んでた腰の痛みまだ覚えてるの

出だしを読むとおそらく知ってる「あいつ」のことを歌ってるのかな、という勘繰りができます。マーシャルってのはおそらくアンプです。「あいつ」と異なりためらいがちの出世街道ってのとは違う道に進んだ方向がみてとれます。途中、

エス、自分は間違ってない

という確認をします。おそらく「あいつ」、他人との差異があるときに、不安になるからかもしれません。他人と異なって当たり前なんすが、いつも「選択しなかった選択肢」というのが頭によぎり、良かったのだろうか、なんてことを考えちまうところがあるので、わからないでもなかったりします。

いつの間にかこの街に丸めこまれたのは誰?
くだらなかったあのころにもどりたいもどりたくない

という歌詞が出てきます。オトナになるとけっこうぐさってくる言葉で「丸めこまれる」というのはおだやかではないのですが、同化するというか、ききわけがよくなったという意味かもしれません。同化してるのは「あいつ」か、歌ってる・聴いてるこちらかは明示されません。もしかしたら両方かもしれません。丸め込まれる前に戻るかどうか、という問いがでてきます。その答えがあって

止まれないこの世界で胸を張って生きるしかない

と過去を振り返ってもあの頃はよかったとかのセンチメンタルに陥らずに前向きだかそうでないんだかわからない方向性で終わります。
聴いたのはおそらく高校生のころでそのころはぴんとこなかったのですが、大人になってしばらくしてからなんとなく意味がわかった気がします。なんのことはないおのれのこととして理解できるというか身近というか、たまに不安になると「イエス、自分は間違ってない」なんて確認をしますし、丸めこまれてたとしても「丸め込まれなかった・くだらなかった頃」戻ることは(美化もあって)戻ってみたい気が全くないわけでもないのだけど過去にすがってもしかたないよーってのとそもそも明るいことだけではなかったので戻ろうという気はあんまりないところがありますっててめえの話はともかく。音楽ってたまに、音楽のことを語らずにおのれのことを語りたくなることってないっすかね、ないかもですが。今週のお題がテーマソングなんすが、ぜんぜん関係ないことを書いちまいました。