芸能人とか有名な人と握手する経験ってのはほとんどありません。唯一の例外が越前屋俵太さん・俵越山先生です。数年前に個展の会場へ行き、そのころ「一本線をひく」というモチーフにひどく凝られてた越山先生にどれがいい?ときかれて「一品線をひいた」ジャケットを指差したのですが、商品化するとしたらどうすればいいと思う?と問われ(偶然知っていた繊維に染料を飛ばして着色する少量生産可能な)福井のビスコテックスをつかえばいいのではないかとかと答えると、(福井の仕事が多いので越山先生はビスコテックスを知っていた)不思議そうな顔をしてキミはなんでそんなことを知ってるの?いったいどういう仕事してるの?と問われて(そこで実は某国の秘密諜報員で密入国しているところですとでも切り返せばよかったのですが、そこまで頭はまわらなかった)怪しまれたことがあります。あれこれお話させていただいた後にミーハーなんすが握手してもらったのですが、がっしり握られて、ああ越山先生に嫌われてないのか・よかったなあ、とけっこう印象に残りました。手を握るって意図しないとできないし、嫌いだったらできないことがらです。それ以降、アイドルの握手会ってのがニュースで流れると、そこに並ぶ気持ちは理解できるようになりました。握手ってけっこう特殊な体験で、好意を持ってる人がこっちのために意図してやってくれる、ってのはけっこう嬉しいからです。もちろん相変わらずセンターが誰だったか知らないし、AKBに興味ないまんまですけども。
アイドルでなくても親しい人が横にいて、意図的に手が触れたり・手を触れたり・手を重ねたりとか、手を握るときって、ささいなことなんすけど嬉しかったりすることがあります。なんにも言わなくても手の動きから、考えてることが一緒である安心感というか、同じなんだなーてきなことを勝手に読み取って考えちまいます。手ってなんかこう、ことばじゃないけどなにか伝わることがありませんかね。錯覚かもですが。