子供っぽさ1

子供の頃、電車の運転手になりたいって思ってたくらいなので、メガネを買ってもらってからはほんとよく運転台のうしろでかぶりつきで眺めてました。不思議がられたことあるんすけど、あれ、地上だけでなく地下鉄でも充分楽しいのです。真っ暗のトンネル内の青く輝く信号とか確認しながら本人は運転手気分を味わってました。そして暗闇の中を加速しながら走って、次の駅に近づいて光が見えてきたときの、なんともいえない至福感といったら!
たぶん理解してもらえる趣味ではあまりないと思っていますがそういう趣味がありました。
で、ある日丸の内線の運転台の後ろで気がついたんすけど、運転台の後ろに居るのは自分より年の低い子ばかりだったのです。で、なんだかこっぱずかしくなって、積極的に「運転台かぶりつき」をしなくなりました。今から思えば噴飯ものですが、もうちょっと大人になろう、なんてことを考えたわけっす。子供なりに。


たぶん、大人になる原動力とはもしかしたらそういう他人の目から見える評価なんだろな、とおもうんすよ。いまでもけっこう意識してるつもりです。


でも、大人になったいま、箍がたまにはずれます。
つい最近は、宮崎で電車を見て箍がはずれました。

写真の電車は鹿児島行き特急です。宮崎駅で思わず撮ったのですが、社会人になってそんなにたってない頃、博多駅でこの車とすれ違ってました。昔はハウステンボス行きがこれで、反対側のホーム越しに「あれいいなー」なんて思ってたのです。そのときは仕事で九州へきてたのでさすがに写真を撮るなんてことはできず、いつの間にかハウステンボス行きも代替わりしちまってこのカラーの車は博多にいっても見れなくなってました。それがよもや宮崎で遭える・乗れるとは思わなかったです。声こそださなかったっすけど嬉々として意味もなくホーム上を移動し、写真を撮ったあと車掌室のそばまで行って「これ、ハウステンボス行きだったやつですよね?」って確認したんすけど(車掌さんがニコニコと「そうですよー」なんて答えてもらえた)たぶんそのときは私は他人の目なんか気にしてなくて、子供のような顔をしてたんではないかと思います。しばらくして正気に戻ったんすけど。つか、改めて書くと行動がまるで小学生低学年みたいっすね。


子供っぽさって、30過ぎてもなかなか完全に抜けないっす。