東武博物館へ

運転台のうしろというのは私にとって魅惑の場所です

浅草駅を出て、隅田川を渡る手前です。ポイントを左に曲がります。

スカイツリーを通り過ぎ目指すは東向島

東武博物館東武鉄道運営の博物館です。昨晩録画していた鉄道総研をやってたブラタモリを観て、にわか鉄道熱があがったというか。ちょっとできた小一時間ほど時間をつぶそうと思ってきました。

東武というのは浅草から埼玉県を経て足利、太田、桐生、宇都宮、日光方面を結ぶ私鉄です。写真は開業時に英国から輸入したSL。右には腕木式信号機があります。操作はたいてい人力・手動です。ライトが青(進行)と赤(停止)の単純なもの。ライトはひとつで色つきガラスを上下させて表示します。もっとも運転手さんは腕木が水平か斜めかで判断します。水平なら停止、斜めなら進行です。ずいぶん前に書いたのですが、信号機と信号機のあいだを閉塞と呼びます。一閉塞につき一列車しか入れません。地方に行くと○○信号場という名前を聞くことがあると思いますが、これは閉塞がいったんそこで切り替わるための信号場です。閉塞の中に列車があれば絶対進行させてはなりません。たいてい閉塞が変わる駅が閉塞にすでに電車がないことを確認して信号の進行・停止を管理します。でも人力・手動なので、ミスがいままでないわけではなかったり。

対して色灯式とよばれるもの。いまほとんどが信号は自動化されており、これです。赤と青だけでなく、複線の場合は信号機を多く設置して、駅と駅のあいだにいくつか列車を入れることができます。東武の場合も朝夕は通勤客が多いので、駅と駅のあいだに一本だけではさばききれないので、複数の電車をぶつからないようにある程度の間隔を保たせながら走らせてます。緑の進行、黄の注意、赤の停止のほか緑+橙だと進行してもいいけど減速せよ、橙と橙だと進行してもいいけど警戒せよ、になります。警戒のほうがより低速です。自動化した信号を守ってれば事故は起きないのですが、信号を守らなかったらどうするのか、という問題がおきます。昭和40年代から運輸省の通達にしたがうかたちで電車が信号を守らずに制限速度を越えて走行して衝突しないようにATSという(私鉄の場合は速度照査機能付きの)自動停車装置が設置されてます。速度オーバーになると情報が飛んで急ブレーキがかかります。ところが東武ではありませんがATSを切って運転して衝突事故が起きたりもするのでここらへん、難しいのです。システムをどんなに整備しても人間か作るものには有限があって完全はないという結論になっちまうのです。もちろんここらへんシステムに人間が簡単には従属しない証明になるかもなんすけどそれは兎も角。
いきなり熱く語ってしまったのですが、ブラタモリの中でタモリさんが鉄道にもいろんな興味を持つ場合があるっておっしゃってましたが、私がわりと興味を持つのはその信号や制御システム系だったりします。

レールの下にオレンジのものが見えますが、カンテラです。ポイント部分で、油を入れて火をつけて凍結を防止します。ちいさい頃に雪のふる暗い朝にポイントで光るこれをみたのが印象的でした。
東京在住の人間からすると東武というと日光行き電車のイメージが強いのですが

昔の日光行き5700系電車と

昭和30年代に作られた東武の名車1720系電車。乗ったことはないのですが、小学生の頃に浅草で見かけてこの縦型ヘッドライトがかなり印象にのこりました。いちど見たら忘れられない形状をしてるよなー、と。


運転台と台車、制御装置が丸見えのスペースが有ります。

手前がマスコン、後ろがブレーキです。マスコンで力行し(モーターを動かし)ます。いまはワンハンドルで両方を兼ね備えたのが増えましたが、以前はこの運転台が主流でした。だれもいないので、こっそり運転。たぶん廃車になったものを流用してるのではないか、と思うのですが、パンタグラフを上げないと走行できないようになってます。

パンタグラフとモーターと車輪の関係がよくわかるというか。電車ってどうやって動いてるんだろう、ということを理解させるためのものなんすが、なんとなく理解してくれる子がいたらいいなーと。誰もみてませんでしたが上からだとこんなながめ。
どういうふうになってるのか、という点で面白いと思ったのは

切符の自販機と

そのうしろ。ふだん見えないところが見える、というのは面白いっすね。
時間さえあればもうちょっとゆっくり見たかったけど電話かかってきたのでそれは叶わず。

以上、テレビに影響された、にわか鉄道マニアの東武博物館レポートでした。

なお東向島スカイツリーのある押上から2駅ほどの距離にあります。