嫌悪

ある保険会社の人が競合他社の経営状況についてメモを作って競合他社の顧客のもとへ行きいくばくかの顧客を奪った、なんてことが以前あったんすよ。なんのことはない保険の世界ってアヒルさんにいわれなくても「よーく考えよー、お金は大事だよー」と耳のそばでささやくと地味に利く世界だからです。もちろん動かなかった人も居るんすが。
ただなんぼなんでも「えげつなー」ってなことで、この保険会社は監督官庁からお灸をすえられました(アヒルさんがお灸をすえられたわけではない)。


で、売り込みかなにかで納得してもらうために同業他社と比較しながら優位性をアピールすることってあるんすけど、逆効果なこともあるんじゃないか、ってたまに思うのです。
口説きのテクニックっていうか、口説くとき相手の否定ってわりと逆効果なんすよ。たとえば
「僕はあいつよりこんなに頭がいいんです」
「おれはあいつよりテクがすごいんだぜ」
「わたしはあの人よりこんなにいい人なんです」
なんて人がリアルにそばにきたら、間違ってなくても嫌悪しがちなんじゃないか。そのアピールの方法は嫌悪を招くんじゃないか、っておもうんすよ。保険会社でも動かなかった人が居たのは、その手法を嫌悪したからではないか。


口説きでなくても事実で正しいことを言ったとしても、その正しい事実に基づいて理屈どうり賢い判断するかどうかは、アピールの仕方によってはなかなかしないのではないのかな、って思ったり。