内なる子供2

料理でも仕事でも勉強でも音楽を理解することでもなんでもいいんすけど、なんとなく基本のようなものを我慢しながら身体で叩き込んで考えたりしながら試行錯誤で覚えていくうちに身につけたものってのがあって、でもそれを他人が試行錯誤しないでどっかから得たらしい知識として身に着けてるのを見ると、ああ俺の試行錯誤は無駄な骨折損だったのかもしれない、なんてことをたまに考えちまいます。そういう人に嫉妬することがあるんすよね。あ、ほかの人は楽してるけど俺は遠回りしたぶん、損してるかもしれない、みたいな。ここらへんほんと子供だなあ、なんて思っちまうのです。


自分で試行錯誤しないと薄っぺらな経験しか積めない、だから必要なまわり道だったんだ、なんて理屈をつけて考えてるものの、なんだかぜんぜん説得力ないっす。スマートな他人を見て内なる子供が地団駄踏んで悔しがるのだけど、それを表に出すのは、憚られるだけの羞恥心だけがいつの間にか出来てて、オトナのふりってしんどいな、なんて思うのですが。