ノルウェイの森 上 (講談社文庫)

ノルウェイの森 上 (講談社文庫)

ノルウェイの森 下 (講談社文庫)

ノルウェイの森 下 (講談社文庫)


実は最後までこの本を読んだわけではありません。


このなかで、女の子が今すぐケーキを買ってきてと頼んでおきながら素直に買ってきてくれた相手に対して、もうケーキなんていらないと言い放ち、それでもなお相手に、ごめん、ごめん、僕が悪かったよ、もう一度買いなおしてくるよ、なにがいい?なんて言わせるっていうのがあります。
これが苦手なんですよ。
こういうノリが。
こういう振る舞いが。


なるほど人間というのは恋愛の状況においてはたぶん、正常な判断が難しいことが多いとおもいます。熱病みたいなものでしょう。甘えたり、ねだったりとか、そういうことがあるでしょう。
しかしながらこれって、全然趣旨が違うとおもうのです。私は女性ではないからかこの発想がわかるようでわかりません。
単なる子供かも。駄々をこねてるだけの。本との独りよがりなんじゃないかとおもうのです、ケーキのは。


たぶん根底には「私を理解できないあなたがいけない」「私を怒らせたあなたがいけない」という考えだとおもうのです。
これって、どうかと思うのです。相手をすべて許容してくれる存在としてしかみていない。相手を一人格として認識していない。文学にそういう倫理観を持ち込んでどうするのかとおもいますが、なんかダメ。

論理を超えたとこにある論理のようなもの、は、けっこう人を納得させやすかったりします。
これは実は案外恋愛とかに限らないとおもいます。わかりやすいのは靖国問題とかでしょうか。裁判所が何故かわかってくれない、というスタンスを参拝しようとしてる人たちは固持しています。


せめて私はこういう大人になりたくないな、という思いがあって生きてきましたが、うまくそうなれてないときがあるみたいです。リアルでも何故怒っているのかということが相手に伝わらないこととかがあります。ひょっとしたら無意識のうちに「私を怒らせたあなたがいけない」みたいなそぶりをしているのかもしれません。