なんか変だ(一部修正)

敵の多いいまの大阪市長について週刊朝日が連載記事にしはじめました。と同時に、血筋を調査してますが、調査する必要もないです。そもそも血筋がいまの性格の原因かといったら、それはほんと戦前の、宿命的な犯罪者がいるという仮説を立てたいまでは噴飯ものの決定論的な世界観と同じです。人間は機械ではありませんし、可塑性があり変化する、というのがいまの考え方です。人間、血筋で決まるなんてそんな簡単な世界ではないです。で、大阪市長が朝日に対して会見を拒否する、というのはよくわかるのです。血統にうまく周囲と関係がもてない人がいたとしてそれが子に関係するという立場なら、その血をひく家族も周囲と巧くできないということになりかねず、変なレッテルを貼られるのは子を持つ父親として許せないでしょうし反発するのは非常によくわかるのです。


話がちょっとずれます。以前、MBOという小説がありました。いまは絶版になってるかも。そのなかで買占めに防戦するほうが中傷合戦に持ち込むのです。で、ほぼ今回と手段が同じなんすが、

・中傷には雑誌の新聞広告や雑誌の中吊広告をつかう
・だけど、記事そのものはどういうものかは雑誌を読まないとそれはわからない
・そこが思う壺で、たいていの人は中吊りか新聞広告しかよまない。週刊誌のあおり文句だけが印象にのこる

ことを利用します。これはけっこうつかわれる手段(のよう)で、つまるところ人はなにがひっかかるか、といったら言葉による印象なのです。今回の目的がなにかといったら記事の内容じゃなくて、たぶん週刊朝日の宣伝です。記事は維新の会や大阪市長の周囲に集まる連中が醜悪って書いてるんだけど、それは中吊りや新聞広告には出てきません。おぼろげながら敵を作りやすい大阪市長と、血筋と出自が関連づけられて、印象に残ります。それを狙ってるはずで、それがおっかねーと思うし、やり方が汚いのです。周囲と敵対することしかできない性格異常者は血筋のせいのような印象になる。
さすが弁護士上がり、と思ったのは、民事訴訟のやり口のひとつなのですが、相手の言ってることをなんとなく正しくない印象を与える作戦にでました。つまり週刊朝日のやり方自体の効果を無くす方向にすぐもってったところです。相手から謝罪をひとつでも引き出し、相手の言ってることはやりすぎである、ということをちょっと印象付けたんすが、どれだけ効果があるか。でも今回の朝日のやり方、「本気でそこまでするか」「ちょっとひでー」と思ったんすが。


あえて書きますがいまの市長の政治の根源はひとつは明快です。府知事時代、子供向けの蔵書がある図書館の統合問題で共産党の人が議会で「あなたは親に絵本をよんでもらったことがないのですか?」と質問したことがあるのです。で、敢然と「親が働いてたからありません」と答弁し、そのかわりあちこちで大阪の街の中の近所の人に育てられた、と補足して述べてます。その育ててくれた大阪の街を元気にする、という建前だけは明快で嘘はないはずです。ですからのちに敵対することになる相手とも、大阪市内で行う集客イベントでは連携していました。たぶんいまでもやってる政策の何割かは、そこらへんが根源なんじゃないかと。
もっとも個別の政策には疑義のあるものがけっこうあります。救急病院や弁護士会館等公益性の高いものに対する固定資産税の減免の停止は特に反対。そもそも収益をあげるためにやってない法人や社団財団にそんなに担税能力がないのに税金を通常並にかけること自体が財政再建のためとはいえ合理性が無いと考えてますってそれは兎も角。


マスコミがうっすら変だ、と思ったことはいままで何度かありますが、今回は「確実に変!」だと思っています。なんかこう、世の中変な方向へすすんでるのかも。