ささいな疑問2

以前、粉飾の見抜き方、ってのを先輩から教わった覚えがあります。たいてい粉飾したいところのそばにわざと間違いを作っておき、そうすればたいていはチェックできた、っていうふうにチェックするほうは満足しやすい。粉飾するほうはそれを見抜いてるので、わざとした間違いの他に本丸の粉飾は有ると考えたほうがいい、特にわざと間違ってるところのそばに気をつけておけ、というアドバイスです。ここらへんもちろん口伝です。勘のようなものかもしれません。でも文字ではない、ぼそっといった言葉なのですが、妙に印象的に残ってます。


小澤征爾さんがキャンセルした公演を別の人が振ることになったのですが、その公演のリハーサルに小澤さんが現れて譜面とにらめっこしているのがテレビで放映されてましたで、練習がすすんでるところを止めさせて(実はその行為は一瞬どうよ?と思ったのですが)、武満徹氏の曲について譜面にはないことの解説を日英の言葉で説明しだしました。代役の指揮者の人も最初はニコニコしてたのですが譜面にかいてないような「上品にやったらだめなんだ」という忠告を途中から表情を変えて正座をして聞いてました。
それをみて以前、勘三郎さんが七之助丈に俊寛の舞台の稽古をしてるところで、そうじゃないそうじゃないといって、ある場面で口ずさみながら途中で畳をポンとたたいて間について教えてた場面を思い出したのですが、七之助丈がその「ポン」でなにかを理解してたのが印象的でした。


世の中には文字に残しにくいことがいくつもあって、たぶん七転八倒していろんなことを吸収して、そのキモの部分を伝えようとすると、文字よりも口伝のほうがよく伝わるのかな?なんてことが気になってるんすけど、いまいち確信がありません。