明るさ

温暖化対策の一環として白熱灯から消費電力も少なくて明るい蛍光灯型電球への移行を国が薦めてて白熱電球生産を減らしてます。確かに蛍光灯って、明るくて、西友へゆくとちゃんとどれだけ明るいかわかるようにディスプレイしてますし、さらに変える事でこれだけ省エネになりますってことをアピールしてます。間違ったことではないと思う。

でも明るくすることで失ってるものはけっこう多いのではないかと。


一昨年に上野で伊藤若冲の展覧会をやってたときに保険会社と博物館とコレクション所有者が一工夫して江戸時代の明るさでもって若冲の絵を見るという企画をしていました。そのときつくづく思ったのですが光は弱くすると細かな部分はじっくり見えないもののむしろよりいっそう対象物が魅力的になぜか見えるのです。視覚がちょっと制限されることでどうしてそれが魅力的になるのか理屈は判りませんが。たぶん日本画が写実を志向してないから隅々まで照らす光がなくてもなんとかなっちまうんでしょうけどどっちにせよ明るければいいってものばかりじゃないってことはほんとよく判りました。明るいってことが、実は絵の本質を殺してる場合ってあるんじゃないか、日本古来の美しさを台無しにしてる部分はあるとおもうのです。


蛍光灯の光は全てをほんと露骨に照らします。
たぶん照明が明るいとこれから口説く・口説かれるとかいうときは双方迷いがあったときとか気もちが冷めちまいがちです。明るい照明を浴びることでたぶん自分の精神状態まで照らされるのではないかと推測します。そこらへん巧い具合に突いたのが洒落たレストランとかバーとかでしょう。薄暗い雰囲気ならどこか迷いがあっても気持ちって冷めないと思うのです。ですから薄暗いお店ってこれから関係を深めたいカップルやカップル予備軍がよく行くはずです。
エロいこともそうで、明るい照明のした抱いた相手の反応を逐一みたいっていうのは男のロマンだと思うけど、抱かれたほうはやたら恥ずかしいだけですし、明るい照明のした、羞恥心もでてきちまうはずです。明るくすることでエロの衝動って減るはず。
そしてなによりも人の肌や裸って、全てを照らすあかるい蛍光灯の下よりも白熱球の下のほうがより官能的で魅力的に見えるはずで、明るい照明ってそのエロさも失うと思います。
たかがあかりなんすけど、行動をけっこう左右すると思うんすよ。


エコとかは間違ってないと思うものの、でも、暗くていい部分って有るんじゃないかな、と思います。私がエロい暗いせいかもですけど明るくないあかりの文化って残しておきたいです。



追記↓残しておきたい白熱灯のある風景
http://ensenstyle.hankyu.co.jp/railfan/wallpaper/hankyu_wp_0004_xga.html