自分が受けていた大学時代の授業

他所の学部がなにをするところなのか、うっすら見当はつくけど詳しくは知りません。法学部の場合は法律を学ぶのですが、基本書を読んで暗記するだけでこと足りるかっていったらそんなことはありませんでした。
いちばん強烈だったのは民法家族法の授業です。最初、質問です、考えてみてください、なんで同性では結婚できないんでしょう?っていう疑問を投げかけてきました。民法の中には同性の婚姻を認める条文も無いけど禁止するものもありません。で、誰かが六法を眺めていて憲法24条1項の「婚姻は両性の合意のみに基づく」と定めていることを根拠に発言します。「両性の合意」でないから婚姻はダメってことなんすけど、でもこれって、異性愛者には認められる婚姻が同性愛者にはみとめられないってのは憲法の認める法の下の平等に反しない?っていう反論をしたくなります。しかし、認めちまうと公序良俗に反してきちまうんじゃね?とか、また婚姻手続きを定める戸籍法が16条で夫婦という文言を含むために同性間での届け出がなされても受理されないってことがわかってきて、でも戸籍法って民法の特別法だから戸籍法に民法が引っ張られるのは変だ、とか、いつのまにか議論が続きはじめた。
この授業、単なる傍観は許されず積極的な発言を求められました。考えたりとか勉強してないと参加してもまったく面白くありません。逆に、勉強しておくとやたらと面白かった。いやーとんでもねえ授業をとっちまったなー、と思いつつ、思いっきり重要なことを幾つも勉強しました。
こんなふうな考えることを要求する授業ってのを卒業時までに幾つかとったことが、いまの自分に幾らか影響を与えてるよなー、と自覚があります。自分が考えたりすることで世の中っていろんなことが見えてくるよな、ってことと、そしてなによりも世の中に簡単に答が出てくることって少ないんじゃ?っていうのを思い知りました。


学問やそれ以外でも、知れば知るほどどうなってるんだろう?とかの、疑問が増えるし簡単に説明するのなんか難しいと思えてくることが多くなるとおもうのです。
でも、目の前にある疑問なんかを簡単に説明できないことを巧くわかりやすく説明できないといらだつ人ってのはいて、ひょっとしてその人は簡単に答がでてくるのがあたり前の学問をやってたのかな、なんて思う。うっすら思うのは、ものの見方がたぶん違うんだろうなー、と。そういう人の前で、どうやってわかりにくいことを説明するかってのは、方法がなかなか思いつかなかったりします。